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河川の水位変化、データが少なくてもAIが高精度予測 富士通が技術開発
直近の雨量・水位データと数時間先の降雨予測データをもとに、AIで河川の水位変化を予測できる技術を富士通が開発した。
富士通は8月16日、直近の雨量・水位データと数時間先の降雨予測データをもとに、AIで河川の水位変化を予測できる技術を開発したと発表した。過去の雨量・水位データが頻繁に更新されていない中小河川や、水位計を設置したばかりでデータが少ない河川でも、高精度な水位予測が可能という。避難勧告の発令など、水害対策の迅速化が狙い。
河川の流量予測などに使われる、雨量と水位、流出量の関係を表す数理モデル「タンクモデル」をベースに関数を作り、過去の雨量・水位データをAIに機械学習させた。
3日前から現在までの雨量・水位データと、降雨予測データを入力することで、今後の水位変化をAIで高精度に予測できる。富士通によれば、標準的な水位予測の方法と比較して同等以上の予測精度が得られたという。
河川改修などで流出量などが変化しても、その後のわずかな雨量・水位データをAIが学習し直すことで、予測の精度を短期間に修正できるとしている。
今後は全国の自治体と実証実験を進め、2019年度中の実用化を目指す。
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