Twitter、国営メディアの広告掲載を全面禁止 香港デモ問題で
Twitterが、香港デモに関する中国国営メディアの偏った広告を掲載したと批判されたことを受け、世界の国営メディアによる広告を全面禁止にするポリシー変更を発表した。
米Twitterは8月19日(現地時間)、広告ポリシーを改定し、国営メディアからの広告は受け付けなくなると発表した。これは、ソーシャルブックマークのPinboardが17日、Twitterに中国国営メディア新華社通信による香港デモに関する偏重した広告を掲載していると指摘したことを受けたものとみられる。
Twitterは同日、香港デモに関する不正確な情報を流した936件の不正アカウントとツイートを停止し、その情報を開示したことも発表した。
変更された広告ポリシーでは、「禁止されるコンテンツに関するポリシー」のリストに「国営メディア:国家当局によって管理されているニュースメディアは広告を購入できません」が追加された(本稿執筆現在、日本語版にはまだ追加されていない)。
このポリシーは日本を含む世界で適用される。ただし、独立した公共放送局を含む、納税者が資金を提供する団体には適用されない。つまり、対象になるのは国によって財政的あるいは編集的に管理されているメディアということだ。その判断は、国境なき記者団、Freedom House、UNESCOなどの信頼できる団体からの情報に基づく。
対象となった国営メディアは、広告は出せなくなるが、アカウントは(他のポリシー違反がない限り)存続できる。
対象となったメディアには数日をかけて通知する。既存の広告は30日以内に非表示になる。
同社は2017年、2016年の米大統領選期間中のロシア政府の干渉に利用されたとして、ロシアの主要メディアRTとSputnikの広告を締め出した。
Twitterは「われわれの唯一の使命は、公共の会話に役立つことだ。この使命は、広告を含むサービスのあらゆる部分に適用される」と語った。
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