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Apple、Siriとの会話を人間が聴いていた件の改善策を発表 録音はオプトインに
Amazon、Google、Microsoft、Facebookとともに音声アシスタントとユーザーの会話の録音を人間が聴いていたと指摘されたAppleが、音声録音をオプトイン(初期設定では無効)にするなどの改善策を発表した。現在停止している録音は、今秋のOS更新ごろに再開する計画。
米Appleは8月28日(現地時間)、2日に英Guardianの報道で明らかになった音声アシスタント「Siri」とユーザーの会話を請負業者が聞いていた件の改善について発表した。
Appleはまず、Siriで録音された音声を人が聴いているのは同社が「グレーディング」と呼ぶSiriの品質評価プロセスであり、マーケティングのためではないと説明(これはAmazon、Google、Microsoft、Facebookも同様の説明をしている)した。それでも報道後にグレーディングを停止したという。
グレーディングは、以下の改善を行った後、今秋予定している各OSのアップデートのころに再開する計画だ。
- Siriとユーザーとの会話の音声録音をオプトインにする。ただし、コンピュータによる会話の書き起こしは今後も使用する
- ユーザーはSiri改善のための音声録音を選択する(選択後、いつでもやめられる)
- 音声サンプルは外部業者に委託せず、Appleの従業員だけが聞く
- 意図せずSiriを呼び出したと判断された音声録音は削除する
Appleは、「私たちのやってきたことは私たちの理想とするやり方ではなかったことに気がつきました。そのことについてお詫びいたします」と謝罪した。
この発表文(リンク先は日本語版)では、何のために音声録音を人間が聴くのか、どのようにしてユーザーのプライバシーを守りつつグレーディングしているかなどが分かりやすく説明されているので、一読をお勧めする。また、本稿執筆現在まだ日本語化されていないが、Siriのプライバシーとグレーディングについてのサポートページも参照されたい。
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