仕事がときめくAIの魔法 〜ますくどめそっど〜:マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!(5/5 ページ)
AIをめぐる日本企業の現状を解説するマスクド・アナライズさんの連載。今回は「仕事がときめくAIの魔法」について解説します。
まとめ:「ときめくAI」「ときめかない人間」
AI導入活用の目的は利益創出であり、ワークフローの見直しが大事です。「AIで業務改善したい」と思ったときには、その業務はときめくかときめかないかを人間が判断して、実行しなければなりません。
少しでも「ときめかない」と思ったら、AI導入以前にやるべきことがあります。「AIを導入したい」ではなく「なぜAIを導入するか」「AIでなければ問題解決できないか」「AI以外でより最適な方法はないか」をまず考えるのです。
問題解決の壁となる反対派の抵抗や感情論に目を背けて、「AIなら何とかできる」と思っていませんか? そんなAI導入では全くときめきませんし、AIが人間を説得することもできません。人間が「お片付け」をすることで、初めてAIがときめくのです。
ワークフローの見直しに伴う現場や上司の説得、他部門との社内調整こそ、AIで代替できず人間にしかできない仕事です。「AIが判断している」といわれて納得する人はいませんが、あなたが説明すれば納得するのが人間というものです。
こうした苦労を乗り越えて、ときめくAI導入が成功したら、人間はAIに仕事を奪われるのでしょうか?
私はそうは思いません。過去のやり方に固執して利益を創出できない「ときめかない人材」が、AI導入の前に会社から「お片付け」されるでしょう。
著者からのお知らせ
8月27日に初の著作「未来IT図解 これからのデータサイエンスビジネス」が発売されました。「今さらデータサイエンスの本?」ではなく「今だからこそデータサイエンスの本」です。新しい技術への向き合い方やあるべき働き方など、さまざまな示唆やヒントが詰まった一冊になりました。ITmediaでも連載している松本健太郎さんとの共著となります。Amazonで購入すると、特典として本書に掲載されたイラストデータがダウンロードできます。
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