NTTテクノクロスと伊藤忠飼料は10月2日、AIの画像認識技術を活用し、カメラで撮影した画像から豚の体重を推定できる端末を共同開発したと発表した。養豚農家が豚の体重を手作業で測定する負担などを軽減する狙い。10月9日に発売予定。
小型端末のカメラで撮影した豚の3Dデータを基にAIが体重を推定する仕組みで、測定結果と実際の体重との誤差は4.5%程度という。
当初はスマートフォンアプリ(Android)として昨春に提供する予定だったが、仕様を満たす端末が終売になった影響で、専用ソフトウェアをプリインストールした端末を開発する方針に切り替えた。両社は端末の発売後、ソフトを随時アップデートするとしている。
端末の重さは約837グラム。通信環境は不要で、交換式充電池1本で2.5時間駆動する。端末価格は1台当たり51万8000円で、ソフトウェア利用料は月額1万5000円(ともに税別)。
畜産業界では、豚肉は出荷時の重量などによって格付けされ、価格が決められるため、養豚農家は豚の体重を細かく管理している。だが、熟練の担当者が目視で体重を推定する「目勘」と呼ぶ手法が用いられており、結果にばらつきがあるという。一方、豚を体重計に追い込んで手作業で測定する作業は事業者の大きな負担になる。両社は新端末の投入により、こうした課題を解消するとしている。
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