複雑化するキャッシュレス決済、店舗の負担どう減らす? 三井住友カードがAndroid決済端末を発表
三井住友カードがさまざまな決済手段に対応できるAndroid搭載端末「stera terminal」を2020年3月に発売する。19年2月から企画・開発を進めてきた決済プラットフォームも同時期にサービスを始める。
三井住友カードは10月2日、1台でクレジットカードやQRコード決済などさまざまな決済手段に対応する店頭端末「stera terminal」を発表した。キャッシュレス決済の加盟店向けに2020年3月に発売する。決済手段ごとに専用端末を用意する手間をなくし、加盟店の負担を軽減する狙いがある。価格は未定。
Android OSを搭載し、購買情報を管理するPOSアプリなど、決済以外でも必要な業務アプリをダウンロードして使える。また、専用のアプリマーケット「stera market」を用意し、端末上で使えるアプリを提供する。
電子署名などができるよう、タッチパネルも搭載。端末はパナソニックと共同開発した。5年間で30万台の設置を目指す。
端末の発売に合わせ、三井住友カードはGMOペイメントゲートウェイ、ビサ・ワールドワイド・ジャパンと共同で、店舗向け決済サービス「stera」の提供も始める。
一般に、店頭やECサイトで決済した情報は、決済センターで処理され、ネットワークを介して決済事業者に届く。三井住友カードの疋田政彦氏(アクワイアリング統括部長)は「(決済事業者だけでなく)決済センターやネットワーク部分でも多くの事業者が携わっており、シームレスな決済処理を阻害する一因になっている」と指摘する。
steraでは、決済センターのシステムを三井住友カードとGMOペイメントゲートウェイが共同で構築。ネットワーク事業はビサ・ワールドワイド・ジャパンと共同で展開し、決済サービスをワンストップで提供する。加盟店は決済事業者ごとにシステムを構築・運用する手間を省ける。具体的な料金は明かしていないが、こうした特徴から加盟店は導入コストを抑えられるとしている。
三井住友カードの大西幸彦社長は「いろいろな決済手段をストレスなく利用してもらえるよう、安全、便利で低コストな仕組みを提供したい」と意気込んでいる。
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