公式アプリはまだ粗削り 「キャッシュレス消費者還元事業」活用のポイント
10月1日から消費税率が10%となり、一時的な負担軽減策として「キャッシュレスポイント還元事業」が始まりました。今後9カ月間にわたって実施されます。決済方法や対象店舗の探し方を紹介します。
10月1日から消費税率が10%となり、一時的な負担軽減策として「キャッシュレスポイント還元事業」が始まりました。ひと言で説明すると、クレジットカードやSuica、PayPayなどのキャッシュレス決済で2%か5%のポイントが還元されるというもの。2020年6月末までの期間限定といっても9カ月間も続くので、早めに利用できるようにしておきましょう。
決済手段をチェック
今回のポイント制度は、キャッシュレス決済普及を第一の目的としているため、幅広い決済手法が対象となります。PayPayなどのコード決済に加え、SuicaやPASMOなど交通系ICカード、さらにはクレジットカードも含まれているので、何かしらは手元にあるのではないでしょうか。
注意したいのは、交通系ICカードなどの場合、新たに登録作業が必要になること。例えばSuicaなら、JR東日本のJRE POINTというポイントシステムに登録しなければなりません。それでも普段の移動で使う交通費でポイント還元の恩恵を受けられるのは交通系ICカードの大きなメリットです。
対象店舗の探し方
ポイントが還元されるのは、「キャッシュレス還元マーク」のあるお店です。経済産業省によると、10月1日にポイント還元を開始するお店は全国に約50万店。 コンビニチェーンや地元密着の中小店舗、さらにはAmazon、楽天などのECサイトも対象です。大手チェーンでもフランチャイズ店は対象です。
還元率は店頭のキャッシュレス還元マークに表示されていますが、できれば入店前にチェックしたいもの。そもそもどのお店が対象になっているか分からないという人も含め、まずは地元や職場近くの対象店舗をチェックしておきましょう。
同事業の公式アプリ「ポイント還元」(iOS/Android)は、スマホのGPS情報を使って付近の対象店を地図で一覧表示するシンプルなアプリです。黄色い吹き出しのような店舗マークをタップすると、画面下部に店名、住所、ポイント還元率などが表示されます。さらに上にフリックすると対応する決済手段の情報を確認できます。
アプリのバージョンは1.0ですが、その情報は完全とはいえません。そもそも経済産業省に申請を出したお店が約73万店(9月25日時点)あるのに約50万店でスタートですから、これから情報量が1.5倍に増えることはほぼ確定です。同省では原則10日ごとに登録店舗を増やしていく予定なので、アプリへの反映はその後になると思われます。
また、現状のアプリでも注意したい点があります。例えば同じ店舗なのに複数登録されているケースが多々あること。例えば、あるカレー専門店の住所には吹き出しが3つ並んでいますが、タップすると全て同じ店。しかしフリックして決済情報を表示すると、それぞれクレジットカード、QRコード、電子マネーと異なっています。
おそらく決済業者が提出した店舗情報をマージせず、そのまま掲載したのでしょう。このままでは利用できる決済手段を見落とす可能性があります。お目当ての店舗周辺に吹き出しマークが林立していたら、周囲のマークも一緒にチェックしてください。
準備不足の印象が拭えないキャッシュレスポイント還元事業。この他にも決済事業者が独自のキャンペーンを併せて実施するケースなどもあるので、最新情報をチェックしながら活用したいものです。
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