ANAが“分身ロボット”開発 遠隔操作でショッピングや観光 20年実用化:CEATEC 2019
ANAホールディングスは、遠隔操作に対応したコミュニケーションロボット「newme」のサービスを2020年4月に始める。ディスプレイ、カメラやマイクなどを備え、遠く離れた場所の様子を見たり、ロボットを介してビデオ通話をしたりできる。
ANAホールディングスは10月14日、遠隔操作に対応したコミュニケーションロボット「newme」(ニューミー)を発表した。細長い胴体の上部に10.1インチディスプレイを搭載し、操作する人の映像を顔の代わりに表示する。カメラやマイクなども備え、遠く離れた場所の様子を見たり、ロボットを介してビデオ通話をしたりできる。2020年4月にサービスを始め、同年夏までに1000体を普及させる計画だ。
遠隔操作にはタブレット端末を使用する。自宅や病院などにいながら、ロボットにデパート内を巡らせて買い物を楽しんだり、水族館など観光スポットの内部を見て回ったり──といった用途を見込む。
サービス形態は、レンタルと販売の2種類を予定。利用希望者は、デパートや観光地に配備されたロボットを借りるか、購入して家などに設置する必要がある。本体やサービスの価格は未定。
ロボットの胴体(高さ)は、100センチ、130センチ、150センチの3種類を用意する。稼働時間は約3時間で、走行速度は時速2.9キロ。
既に三井不動産、森ビル、三菱地所、阪急阪神不動産、東急、三越伊勢丹などと協業し、20年3月まで実証実験を行っていく予定だ。
ANAホールディングスによると、航空サービスの利用者は世界人口の約6%にすぎず、残りの約94%は経済的・身体的な要因から利用できていないという。そうした人を対象に「物理的な距離を越えたコミュニケーションを提供する」(同社)狙いがある。
newmeは、家電やIoT機器の見本市「CEATEC 2019」(10月15〜18日、千葉・幕張メッセ)で展示する。
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