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Google、複雑な会話型クエリでも意図をくんで答えるBERT採用検索を英語で開始

Googleは、注目の自然言語処理技術「BERT」を、まずは米国の英語検索で採用する。「ブラジルから米国への入国にはビザが必要?」のような会話型クエリを入力した場合、従来より欲しい答えが表示されるようになる。

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 米Googleは10月25日(現地時間)、Google検索で自然言語処理「BERT」を採用し、検索結果に「過去5年間で最も大きな躍進」をもたらしたと発表した。まずは米国での英語による検索に適用し、提供地域や言語を拡大していく計画だ。

 BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)は、Googleが昨年11月に発表した自然言語処理(NLP)のための言語処理モデル。おおまかに言うと、いくつかのキーワードを抜いた文を学習データセットにして機械語アルゴリズムを訓練し、アルゴリズムによる文脈の理解力を上げるというもの。

 例えば長い会話型クエリや、「for」や「to」などの助詞に重要な意味があるクエリの場合、従来の検索では意図した結果を得られない場合が多かったが、BERT採用検索は文脈を理解した結果を表示するという。

 Googleは具体的な成果の例を幾つか紹介している。例えば、「2019 brazil traveler to usa need a visa(2019年にブラジルから米国への旅行者はビザが必要か?)」というクエリの場合、従来は助詞の「to」の重要性を理解せず、米国からブラジルへの旅行者に関する結果をトップに表示していたが、BERT版ではブラジルから米国への入国についての情報がトップに表示される。

 bert 1

 「do estheticians stand a lot at work(エステティシャンは仕事中長く立っているか)」というクエリでは、従来は「stand」を「stand-alone」とマッチングさせてしまい、クエリで知りたい物理的な立ち仕事かどうかという疑問とは直接関係ない結果を表示していたが、BERTであればエステティシャンの身体的負荷についての説明がトップに表示される。

 bert 2

 BERTで構築するモデルの一部は非常に複雑で従来のハードウェアはその負荷に耐えられないため、Googleは最新の「Cloud TPU」を初めて採用したことも発表した。

 BERTの特徴の1つは、1つの言語の学習成果を他の言語に適用できることだ。Webで最も使われている英語での学習モデルを他の言語に適用することで、他の言語での検索結果も改善していく。強調スニペット(説明のスニペットが上部に表示される、通常のリスティングとは形式が逆の特別なボックス)については、既に、“2ダースの国々”(日本が含まれるかどうかは不明)でBERTを採用しており、特に韓国語、ヒンズー語、ポルトガル語の検索で大幅な改善がみられるとしている。

【訂正:2019年10月28日午前5時40分 最後の段落に誤りがあったため、修正しました。】



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