「人間の上司よりロボットを信頼」約8割、日本はロボに軍配? オラクル調べ
日本オラクルが、日本、米国、中国など世界10カ国・地域を対象にした、職場のAI利用に関する調査結果を発表。全体の76%が「マネージャーよりもロボットを信頼する」と回答した。AI時代における従業員とマネージャーの関係性が明らかに。
日本のビジネスパーソンは、上司よりロボットを信頼する傾向にある――日本オラクルは11月13日、企業のAI活用に関するこんな調査結果を発表した。米Oracleと調査会社Future Workplaceが共同で実施したもので、日本、米国、中国など世界10カ国・地域のビジネスパーソン8370人が対象。
調査によると、「マネージャーよりもロボットを信頼する」と答えた人の割合は、日本では76%に上り、全体平均の64%を上回った。特に、女性(84%)の方が男性(74%)よりも、そのように感じる傾向が強いという。
ただし、「将来的にロボットがマネージャーに置き換わると思うか」という質問では、日本では19%が「そうである」と回答。グローバル平均の32%と比較すると低い結果だった。
では、ロボットと人間の役割分担はどうなっていくのだろうか。「ロボットは人間のマネージャーより何が優れているのか」を聞いたところ、日本では、「バイアス(偏見)のない情報の提供」(53%)、「仕事のスケジュールの維持・管理」(47%)、「予算管理」(43%)が上位に。
一方、「マネージャーはロボットよりも何が優れていると思うか」では、「従業員の感情の理解」(47%)、「従業員の指導」(31%)、「職場文化の創出」(27%)が上位となった。
AIに最もしてもらいたい仕事の回答は、「経費精算」(35%)、「休暇申請」(26%)、「コーチング」(8%)が上位となった。
調査結果を受け、を研究する慶応義塾大学大学院の岩本隆特任教授は、「上意下達で部下を指導する旧来のやり方ではなく、その人でしかできないマネジメント手法がないと、マネージャーの存在価値は薄れていく」とコメントしている。
日本オラクルは、「日本の企業の多くはデータの収集・一元化にAIを導入したばかり。今後、業務の優先順位付けや業務への推奨といった段階を踏んでいき、AIの価値も増幅していくだろう」と結論付けている。実際、「職場において何らかの形でAIが利用されている」と答えた割合は、全体平均50%のところ、日本は最下位の29%にとどまった。
調査は7月2日から8月9日に、世界10カ国、地域で実施。対象者は18〜74歳の正社員8370人で、マーケティングリサーチ会社のSavanta社がオンラインで行った。
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