PayPal、価格比較・リワード情報ツールのHoneyを約40億ドルで買収
オンライン決済大手のPayPalが、価格比較・クーポン情報ツールのHoneyを買収すると発表した。買収総額は約40億ドル。ツールをPayPalに取り込み、ユーザーの購入体験を改革するとしている。
米オンライン決済サービス大手のPayPalは11月20日(現地時間)、価格比較・クーポン情報ツールを手掛ける米Honey Science Corporation(以下、Honey)を買収することで合意したと発表した。買収総額は約40億ドル(約4341億円)。取引は当局の承認などを待って、2020年第1四半期中に完了の見込みだ。PayPalにとって過去最大規模の買収になる。
Honeyは2012年創業の、カリフォルニア州ロサンゼルスに拠点を置く非公開企業。オンラインショッピングユーザーに、ショップ横断の価格比較やクーポン情報を提供する。現在、北米、英、オーストラリア、インドでサービスを提供している。
eBayやBest Buy、Macy'sなど、約3万のオンライン小売業者と提携し、MAU(月間アクティブユーザー数)は約1700万人。過去1年で数百万人のユーザーが10億ドル以上節約したとしている。
買収完了後もHoneyのブランドは維持する。PayPalのサービスにHoneyの技術プラットフォームを組み込み、PayPalユーザーのショッピング体験を変革していく。HoneyはPayPalとVenmoの2億7500万人以上のアクティブなユーザーによる採用機会を獲得し、PayPalの2400万の加盟店からの独占オファーを提供できるようになる。
オンライン決済サービスには近年、米Google(のGoogle Pay)や米Apple(のApple Pay)、米Facebok(のFacebook Pay)などが参入してきている。Appleのティム・クックCEOは第4四半期の業績発表後の電話会見で、同四半期のApple Payによるトランザクションが30億件を超え、PayPalを抜いたと語った。
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