「ながら運転」検出AIカメラ、オーストラリア州政府が導入
オーストラリアのニューサウスウェールズ州政府が、AIカメラによる「ながら運転」検出を12月1日から開始した。州内の道路に設置したカメラでながら運転ドライバーを検出する。それを人間の担当者が確認した後警告し、猶予期間後の再犯で罰金と減点を科す。
オーストラリアのニューサウスウェールズ(NSW)州政府は11月29日(現地時間)、12月1日からスマートフォンの「ながら運転」検出用AIカメラの利用を正式に開始すると発表した。運転中のルールに違反するスマートフォンの利用を、州内の道路に設置したカメラ(設置場所や台数は非公表)で検知する。
この検出システムは昼夜問わず、あらゆる気象条件で作動するという。高解像度のカメラで州内のすべての車両のドライバー席の画像をキャプチャし、スマートフォンの違法利用を検出する。
システムではまずAIで違法利用の可能性のあるドライバーを検出し、その後、人間の担当者が検証する。撮影データは犯罪の検出に必要な最小限なもののみを保持し、違反の証拠が含まれない画像は通常1時間以内に完全に削除する。
12月1日からの3カ月は周知期間として違反したドライバーには警告書が届く。その後は344ドル(約2万6000円)の罰金と減点5点が科される(スクールゾーン内での違反の場合は457ドル)。
NSWの交通当局によると、年初のカメラテストの結果、10万人以上のドライバーがスマートフォンを違法に使っていることを発見したという。AIカメラの設置により、5年間で約100件の深刻な交通事故を防止できるとしている。
【訂正:2019年12月2日午後12時15分 3カ月の猶予期間の解釈が誤っておりました。お詫びして訂正します。】
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