Qualcomm、5G対応XRチップ「Snapdragon XR2」とNianticとのスマートグラス開発提携を発表
QualcommがスタンドアロンタイプのXR(VR/AR/MR)グラス向けのプラットフォーム「Snapdragon XR2」を発表した。オプションで5Gにも対応する。Nianticのアウトドア向けスマートグラス開発のための提携も発表した。
米Qualcommは12月5日(現地時間)、ハワイで開催中のカンファレンス「Snapdragon Tech Summit」で、世界初をうたう5G対応XR(VR、AR、MRの総称)プラットフォーム「Snapdragon XR2 5G」(以下「XR2」)を発表した。
XR2は、2018年に発表し、「Google Glass」などに採用されているスタンドアロンXRヘッドセット向けプラットフォーム「XR1」の2倍のCPU・GPU性能を持ち、ピクセルレートは1.5倍、テクセルレートは3倍で、アイトラッキングや可変レートシェーディングなどの機能をサポートする。さらに、解像度は6倍に、AI性能は11倍に、ビデオ帯域幅/ピクセルスループットは最大4倍になった。これは、1秒当たり90フレームで最大3K×3Kの解像度に対応し、ストリーミングとローカル再生の両方で1秒当たり60フレームで最大8Kの360度動画をサポートできるということになる。
5Gはオプションで提供する。高解像度で360度動画をストリーミングする際、5G対応にすることによってレイテンシーを低減できる。
Qualcommは、複数のOEMがXR2採用のデバイスを商品化する予定だと発表した。
この発表のステージには、「Pokemon Go」などのARゲームで知られる米Nianticのフィル・ケスリンCTO(最高技術責任は)も登壇し、アウトドアで利用可能なXR2採用スマートグラスを開発するための数年契約を締結したと発表した。
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