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人間のモチベーションを高めるAI、オムロンとスクエニが開発へ 表情から感情を読み取り助言 卓球ロボで実験も
オムロンとスクウェア・エニックスが、人のモチベーションを高めるAIを共同開発する。20年の「CES」では、オムロンの卓球ロボ「フォルフェウス」にこのAIを搭載し、卓球を通して対戦相手のやる気を引き出す実験を行う。将来的には、AIが従業員の表情を分析した上で感情に応じたアドバイスをするサービスの開発を目指す。
オムロンとスクウェア・エニックスは12月10日、人のモチベーションを高めるAIを共同開発すると発表した。オムロンが開発した、人の表情から感情を読み取る技術と、スクエニがゲーム用AIの開発で培った、プレイヤーごとにゲームの展開を変化させる技術を組み合わせるという。将来的には、AIが人の感情に合わせて仕事の生産性を高めるようなアドバイスを行うサービスの開発を目指す。
共同開発の期間は12月〜2020年3月。20年1月に米国で行われる家電見本市「CES 2020」では、オムロンが開発した卓球ロボット「フォルフェウス」にこのAIを搭載し、卓球のラリーを通して対戦相手のやる気を引き出す実証実験を行う。
フォルフェウスは来場者と対戦する中で、いら立っている人にチャンスボールを送り、思い切り打ち込んでストレスを発散してもらったり、楽しんでいる人に難易度の高いボールを配球し、駆け引きの面白さをさらに高めたり――と、相手の感情に応じてプレーの内容を変更するという。
CESでの実験結果を踏まえ、対戦相手に音声でアドバイスする機能など、ビジネスへの応用に向けた機能改善を検討する。
両社は「今回の共同研究を通して、『人と機械の融和』に向けた社会的課題の解決を加速する」としている。
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