AppleやFacebookが法執行機関向けバックドアを作らないなら暗号化を法律で規制する――米上院議員
AppleとFacebookのセキュリティ責任者を召喚した公聴会で米上院議員が、エンドツーエンドで暗号化したサービスに法執行機関向けバックドアを設けないのであれば、法律で規制すると警告した。
「あなた方がこれ(バックドア追加)を行わないなら、われわれがあなた方のためにこれを行えるようにしてあげよう」──。リンジー・グラハム米上院議員(共和党)は12月10日(現地時間)に開催した「暗号化と合法的なアクセス:公共の安全とプライバシーに対する利点とリスクの評価」と題する公聴会で、出席した米Facebookと米Appleのセキュリティ責任者に対し、こう語った。つまり、バックドアの追加を法律で義務付けるという意味だ。
この公聴会には、サービスをエンドツーエンドで暗号化しているAppleとFacebookの代表、司法省側の代表としてのニューヨーク地方検事、サイバーセキュリティの専門家の大学教授が召喚された。
1月に、Facebookが「WhatsApp」「Instagram」「Facebook Messenger」のメッセージ機能を統合し、エンドツーエンドで暗号化する計画だと報じられた後、米、英、豪の政府が同社に対し、法執行機関向けのバックドアを設定しない限り、暗号化の計画を進めないよう要求した。
Facebookは今回の公聴会の前に、ウィリアム・バー米司法長官宛の公開書簡で、「あなたが要求する“バックドア”は、犯罪者、ハッカー、抑圧的な政権へのプレゼントになってしまう。バックドアはそうした人々がわれわれのシステムに侵入することを許し、プラットフォーム上の人々を危険にさらす。バックドアを1つの目的のためだけに作成し、他の目的で開けないようにすることは技術的に不可能だ」と説明した。
公聴会でも議員と企業代表との質疑は平行線だった。
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