AppleやGoogle、英諜報機関からの暗号化チャット盗聴案を否定する公開書簡
Apple、Google、Microsoft、WhatsAppなどのIT企業と人権団体などが、英諜報機関GCHQによる「ゴースト提案」に反対する書簡を公開した。ゴースト提案は、犯罪捜査のために、暗号化されたチャットにゴーストとしてユーザーに気づかれずに第三者を参加させるというものだ。
英国の諜報機関である政府通信本部(GCHQ)が暗号化されたチャットサービスの盗聴機能の追加を提案したことは、デジタルセキュリティや人権に対する深刻な脅威だとして、米IT大手のApple、Google、Microsoft、WhatsAppなどやアメリカ自由人権協会(ACLU)などの市民社会団体ら47団体が署名した公開書簡を送った。公開書簡に署名した米政治系ブログメディアLawfareが5月30日(現地時間)、22日にGCHQに送った書簡を公開した。
GCHQの提案は、2018年11月に英国立サイバーセキュリティセンターのイアン・レヴィ氏とGCHQで暗号解読責任者を務めるクリスピン・ロビンソン氏が国際暗号学会(IACR)主催のカンファレンス「Crypto 2018」で発表したもの。
犯罪捜査のために盗聴したりバックドアを設置するのではなく、メッセージングサービスに“ゴースト”ユーザーを追加することで、法執行機関がユーザーに気づかれずにチャットの参加者として会話を追跡できるようにしてほしいという。2人はこの提案は法執行機関が暗号化された通信にアクセスする方法について率直な会話を行うためのものだと主張した。
公開書簡は、このゴースト提案を実現するために必要なシステム変更や、その変更がもたらすであろう危険性について説明している。
ほとんどのユーザーは、サービスプロバイダーへの信頼に基づいてサービスを使っているが、「GCHQのゴースト提案は、この信頼関係と認証プロセスを完全に損なう」。
レヴィ氏は米CNBCに対し、「われわれは関係者と最善の解決策を見出すために開かれた議論をすることを楽しみにしている」と語った。
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