「ステマとは何か」を考える 歴史的経緯と対策の現状:otsuneの「燃える前に水をかぶれ」(4/4 ページ)
読者の立場とネット炎上専門家の視点から、ステマの歴史と対策について解説します。
ステマ疑惑リスク
約2カ月の範囲で色々なユーザーから投稿されていたチョコレート商品を勧めるクチコミ投稿が、スクリーンショットでひとまとめにされて「ステマなのでは?」と疑惑を持たれたことがありました。
ねとらぼの取材に対して企業はステマではないと具体的に否定したことと、投稿日のばらつきや細かい内容からの推測ではステマとしては不自然で、単なる自主的な投稿ではないかという感想を持つ人も多く、疑惑は単なる疑惑でそれ以上の確定情報はないように見えました。
しかし読者によってはその後の否定記事を読んでおらず、自ら細かく投稿内容まで精査せずに、なんとなくステマをしてる企業なんだろうなと疑惑を信じてしまっている人もいます。これはステマをしていない企業にとっては濡れ衣によるブランドのイメージダウンになり、非常に問題になると思います。
経済活動と社会規範のすり合わせ
「記事広告ではあるが、内容が面白いので読んでいて楽しめるから騙された気がしない」「商品提供記事だが、執筆者の過去の行動からレビューは本音で書かれているはずだ」「広告費で描かれているが、とても手間がかかって丁寧で分かりやすい体験漫画なので共感できた」――など、内容の品質面で読者を納得させて、読者との騙し合いを止める方針を取っている広告関係者も少なからず存在します。
才能や手間暇をかけた記事を執筆するには、経済活動も必要だと思います。
そして読者の「無限に無料で面白い記事が読みたい」という経済活動に反する要望にどう対処するのかという解決策の開発も求められています。ただ記事広告タイトルにPRとつければ良いというのは経済活動を無視した読者の社会規範だけの手法で、解決策や到達点だとはとても思えません。
多くの読者のリテラシーと、自主規制ガイドラインのギャップを利用した騙し合いではない前向きな手法が望まれていると思います。
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