トヨタの「ネットにつながる実験都市」に一般人は住めるのか? 広報担当者に聞いた結果は……
トヨタ自動車が「コネクティッド・シティ」を富士山の裾野に建設するという構想を打ち出した。一般の入居者も住めるのか、トヨタの広報担当者に聞いた。
あらゆるモノやサービスがネットを介してつながる都市「コネクティッド・シティ」を富士山の裾野に建設する──トヨタ自動車が1月7日、「CES 2020」のプレスカンファレンスで、そんな構想を打ち出した。2021年初頭に着工し、将来的に約71万平方メートルの街を作る計画だ。自動運転やロボット、スマートホーム技術などを試験的に導入し、新しい都市の在り方を模索するという。
トヨタが建設する都市は「Woven City」(ウーブン・シティ)という名称で、20年末に閉鎖する東富士工場(静岡県裾野市)の跡地を再利用するものだ。住民は、室内用ロボットなどの新技術を使える他、センサーが取得した体調のデータをAIで分析し、健康状態をチェックできる。
都市内部は、完全自動運転車などスピードが速いクルマが走る道路、歩行者とパーソナルモビリティーが共存する道路、歩行者専用の道路──という3種類の道路が「網の目のように織り込まれた」構造になるという。
「ここにいる皆さま」も住める?
同社の豊田章男社長は、CESのプレスカンファレンスで「Woven Cityの住人としては、トヨタの従業員と家族、退職したご夫婦、小売店舗、プロジェクトに参画する科学者、各業界のパートナー企業などを想定しています。そしてもちろん、ここにいる皆さまもです! まずは約2000人からはじめ、段階的に増やしてまいります」と発言した。
「ここにいる皆さま」という発言は、会場にいる報道陣に向けたもの。トヨタの社員やプロジェクトの関係者だけでなく、一般の入居者も募集する──とも読み取れる。ネットでは発表を受け、「住んでみたい」と期待する声も出ている。
「まずは構想を打ち立てた段階」
一般人は本当に、実験都市に住めるのか。ITmedia NEWSがトヨタ自動車の広報担当者に尋ねたところ、「まずは構想を打ち立てた段階なので、それ以上(豊田社長の発言以上)のことは申し上げられない」という回答だった。入居者を増やすペースについても「今後決める」という。
一般入居者ではないが、プロジェクトに参加するパートナー企業の募集はすでに始めている。豊田社長によると、「私たちと一緒にこのプロジェクトに参画することに関心がある方、将来の暮らしを改善したいと思われている方はどなたでも歓迎する予定です」という。
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