ドコモ、5Gの次世代「6G」のコンセプト公開 「5Gの10倍」「複数要素の同時実現」「宇宙までのカバレッジ拡大」など
NTTドコモは、第6世代移動通信システム(6G)の技術コンセプトを公開した。5G技術の各要素を発展させつつ、「高速かつ低遅延」のように複数の条件を同時に実現する技術を開発していくという。6Gのサービス提供は、2030年ごろを目指す。
NTTドコモは1月22日、第6世代移動通信システム(6G)の技術コンセプトを公開した。5G技術の各要素を発展させつつ、「高速かつ低遅延」のように複数の条件を同時に実現する技術を開発していくという。6Gのサービス提供は、2030年ごろを目指す。
ドコモが6Gで掲げる要素は大きく分けて6つ。「超高速・大容量通信」「超低遅延」「超多接続&センシング」といった5G技術の延長に加え、新たに「超カバレッジ拡張」「超高信頼通信」「超低消費電力・低コスト化」を挙げる。
具体的には、超高速・大容量通信では100Gbps(5Gでは10Gbps)、超低遅延ではエンドツーエンドで1ミリ秒(5Gでは10ミリ秒)、超多接続では1000万デバイス/平方キロメートル(5Gでは100万デバイス/平方キロメートル)を目指す。いずれも目標値は5Gの10倍だ。
新たな3つの技術要素は、現状の5G技術にある課題の改善や、6Gサービスが始まると見込まれる2030年ごろに求められる技術として考えられるもの。
5Gはミリ波を移動通信に用いた最初の世代であり、下りの通信速度を重視したベストエフォート型サービスであるため、ミリ波によるカバレッジ(通信可能エリア)や上りの通信速度には改善の余地があるという。産業界からはベストエフォートではなく通信速度など品質を保証できる通信サービスが求められているとしており、技術進化の方向性の一つだとしている。
超カバレッジ拡張では、こうした足元からの改善にとどまらず、新たな通信可能エリアとして高度1万メートルの空や200海里先までの海上、さらには宇宙環境までのカバーをもくろむ。超低消費電力・低コスト化では、無線の信号を用いた給電技術を発展させることで充電不要な電子デバイスが出現する未来を描く。
ドコモは、今回のコンセプトについて「現時点の考えを記したもの」とした上で、「本内容を基にさまざまな業界の関係者や産学官における議論を推進し、内容を更新していきたい」とした。
足元の技術である5Gについては、ドコモは2020年春に商用サービスを展開する予定だ。
関連記事
- 「5Gと5GHzを混同?」「SNSのギガ?」──勘違いしやすい「G」の見分け方
世の中に浸透するITかいわいの単位や言葉。クイズと共に、勘違いや誤解を防ぐ方法を紹介する。 - 「あれがドコモショップのリアル」──“クソ野郎”事件はなぜ起きたのか 現役店員が漏らした本音
ドコモショップに行った客が受け取った書類に、「クソ野郎」などと書かれていたことが話題に。問題の店員はなぜ客をそう形容したのか。現役のドコモショップ店員が語った。 - ジャガイモにもIoT化の波? アンテナ刺した「スマートポテト」がCES 2020で話題
米ラスベガスで開催中の「CES 2020」で、アンテナを刺したジャガイモを展示するブースが話題になっている。 - 折りたたみ、中国メーカーの躍進、5G──2020年のスマートフォンはどうなる? 19年の業界トレンドまとめ
2020年には次世代通信規格「5G」の商用サービス開始を控えており、ハイエンドスマホの動向も気になるところ。今年のスマホトレンドを振り返りながら2020年を展望する。 - 総務省、5Gサービスに向け3大キャリアにMVNOへの情報提供求める サービススタートの足並みそろえる
総務省は大手通信3社に対し、5G通信サービスの提供に必要な機能や情報をMVNO事業者に提供するよう求めた。MVNO事業者も2020年春に5Gサービスを提供できるようにし、公正競争を確保する狙いがある。 - 小規模で使える「ローカル5G」、総務省が申請受け付け NECが利用を表明
総務省が「ローカル5G」の無線局免許の申請を、12月24日から受け付ける。地域の企業や自治体が柔軟にネットワークを構築できるようにし、5Gを早期に普及させる考えだ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.