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顔への風圧、かすめる、直撃が実感できるVR触覚システム 台湾の大学が開発:Innovative Tech
VR HMDで顔に接触している部分を移動させることで、さまざまな触感を利用者にもたらす。
Innovative Tech:
このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
台湾国立交通大学と台湾大学による研究チームが2019年10月に発表したHMD(Head Mounted Display)「Masque」は、着用者の顔面に映像に合わせた触覚をフィードバックするシステムだ。
バーチャルコンテンツと連動したせん断モジュールを顔の皮膚に押し付け、皮膚を伸ばすインタラクションを提供する。
顔に対してせん断部分を6カ所、顔を囲むように配置する。接触面はシリコンで覆われており柔らかい 。各せん断モジュールには2種類のギアモーター(水平方向と垂直方向の動きに使用)を整備。これにより、それぞれどの方向でも最大15ミリ動く。
計算された距離や角度を同時に実行し、さまざまな触覚を生成する。例として、3つのアプリケーションを紹介している。
オートバイのVR体験アプリケーションでは、ヘルメットの振動や速度に合わせた風圧をシミュレート。
雪合戦のVR体験アプリケーションでは、顔面に当たった時の打撃や、避けてかすった場合などをシミュレートする。
VR博物館では、ガイドナビゲーション用にどこへ向かえばよいかを方向で提示する。
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