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「マリカー」訴訟、二審も任天堂が勝訴 損害賠償額は1000万→5000万円に

「マリカー」の訴訟について知的財産高等裁判所は1月29日、任天堂の訴えを認め、MARIモビリティ開発に対し5000万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

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 公道カートの利用者に任天堂キャラクターのコスチュームを貸し出すなどしていた企業「マリカー」(現商号:MARIモビリティ開発)とその代表取締役に対し、不正競争防止法違反や著作権侵害などで任天堂が提起していた訴訟の控訴審で、知的財産高等裁判所は1月29日、任天堂の訴えを認め、MARIモビリティ開発に対し5000万円の支払いを命じた。


2017年2月当時のマリカーのWebサイト

 任天堂の訴えは、マリカー(企業)が任天堂のレースゲーム「マリオカート」の略称「マリカー」を社名などに用い、利用者にマリオのコスチュームを貸与するなど、任天堂の許諾なくこれらを宣伝・営業に利用していることが不正競争防止法違反や著作権侵害に当たるというもの。

 一審の東京地方裁判所は、任天堂の訴えを認め、MARIモビリティ開発に対し1000万円の支払いと不正競争行為の差し止めを命じる判決を2018年に言い渡した。これを不服としてMARIモビリティ開発は知財高裁に控訴。任天堂も一審で認められなかった部分を不服とし、賠償金額を5000万円に増額して控訴した。

 二審では、「マリカー」などの標章やマリオなど任天堂キャラクターのコスチュームが、マリカー(企業)の利用者の間で任天堂の商品等表示として著名であることを認め、これらを営業上利用・貸与する行為などが不正競争防止法違反だと認める中間判決を19年5月に言い渡し、損害金額などの審理が続いていた。

 知財高裁の判決は、任天堂が請求していた金額の全額の支払いと、被告会社の不正競争行為の差し止めを命じるもの。任天堂が当初訴えていた「著作権侵害」以外について、ほぼ全面的に認める内容だ。

 任天堂は、「長年の努力により築き上げてきた当社の大切な知的財産を保護するために、当社のブランドを含む知的財産の侵害行為に対しては今後も継続して必要な措置を講じていく」とコメントを発表した。

 被告のMARIモビリティ開発は、「自社の主張が認められなかった部分については誠に遺憾であり、内容を精査して引き続き対応して参ります」とコメントしている。最高裁への上告に関しては態度を明らかにしていない。


「マリカー」が公道を走る様子(17年3月、記者撮影)

19年3月時点でも公道を走っていたが、利用者は任天堂キャラクターの格好はしていなかった(19年3月、記者撮影)

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