改装工事で大混乱、新しい銀座線渋谷駅ホームはどう変わった?
年末年始に地下鉄・銀座線の渋谷駅改装工事が実施され、銀座線と各線の乗り換え方法がかなり変わりました。JRの中央改札あたりは朝のラッシュ時に相当な混雑になっています。どうしてこうなったのでしょう。
2019年の年末から年明け1月2日にかけ、東京メトロ・銀座線の渋谷駅改装工事が実施されました。これにより、銀座線と各線の乗り換え方法がかなり変わってしまい、乗り換え口——特にJRの中央改札あたりは朝のラッシュ時に相当な混雑になっています。どうしてこうなったのでしょう。
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これだけ大規模な改装工事は1938年に銀座線が開業して以来のことだとか。もともと銀座線の渋谷駅は地上3階にありましたが、ハチ公口から改札へ行くのにエレベーターやエスカレーターがなく、上がっていくのは障がいのある方やお年寄りにとって、かなりつらい道のりとなっていました。今回の改装工事では、明治通り側の改札口にエスカレーターとエレベーターが、用意されました。
エレベーターなどが接地されて便利になった反面、乗り換え時の動線がかなり変わってしまい、戸惑う人もいると思います。その原因は、駅が明治通りをまたぐ形になってしまったことにあります。以前は東急東横店の中に入る形で駅が設置されていましたが、そこから表参道側に移動しています。
ハチ公口から乗り換える場合、まず階段で2階に上がり、そこから左手に折れて150メートルほど直進すると改札口が見えます。京王井の頭線からの乗り換えは少し不便になりましたし、地下鉄半蔵門線や東急田園都市線からの乗り換えは、これまでの渋谷側経由より、表参道側(渋谷ヒカリエ)からの方が楽になりました。
結果として、JRの中央改札口で井の頭線とJRからの乗り換え客が交差してしまい、年始には渋谷駅の混雑ぶりがテレビを賑わせることに。朝の通勤時間帯に、乗り換えに7、8分もかかるようになってしまったのですから「元に戻してほしい」という声が上がるのも無理はありません。
混雑緩和に向けた動きも出てきました。まずJR東日本が1月29日からJR渋谷駅中央東改札を供用開始。混雑する中央改札口をパスする形で、渋谷スクランブルスクエア東棟を経由してJRから銀座線へ乗り換えができるようになりますので、多少混雑は緩和されるかもしれません。
ちなみに今回の改装工事は、2009年2月からスタートしていました。2016年11月と2018年5月にも年末と同様の運休を行い、少しずつ工事を進めていた最後の段階として、今回の線路工事が実施された、というものです。銀座線のホームは切り替わりましたが、出入り口など未整備な部分もあり、本格的な稼働はまだこれから。東急東横店を取り壊した後、渋谷スクランブルスクエア中央棟・西棟が開業する予定の2027年まで続きます。
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