ソフトバンクグループ出資のWeWork、不動産業ベテランをCEOに指名
コワーキングスペース「WeWork」を運営する米We Companyが、不動産業界のベテラン、サンディープ・マトラニ氏をCEOに指名した。会長であるSBGの副社長クラウレ氏と協力し、立て直しを図る。
コワーキングスペース「WeWork」を運営する米We Companyは2月2日(現地時間)、米不動産投資会社Brookfield Propertiesの小売部門CEOを務めるサンディープ・マトラニ氏(56)をCEOに迎えると発表した。2月18日に就任する。
マトラニ氏は複数の不動産関連企業の取締役も務める不動産業界のベテラン。「マトラニ氏の不動産に関する豊富な経験とスキルは、マルセロ・クラウレ会長のスキルと補完し合う」。クラウレ氏はWe Companyに出資するソフトバンクグループ(SBG)の副社長。
現在の共同CEO、アーティ・ミンソン氏とセバスチャン・ガニンハム氏はマトラニ氏への引き継ぎの期間、同社に留まる。両氏は昨年9月、共同創業者のアダム・ニューマン氏のCEO辞任の際、CEOに就任し、WeWorkの安定化に取り組んできた。
We Companyは昨年8月にIPOを申請したが、多大な純損失やニューマン氏の薬物使用疑惑などに批判が高まり、9月にIPO申請を撤回した。
SBGは10月にWe Companyへの95億ドルの金融支援を発表し、SBGの孫正義社長は昨年11月の決算説明会で、We Companyは「シンプルに粗利を上げ、経費を下げることで立て直せる」と語った。
We Companyはクラウレ会長の下、Conductor、Teem、The Wingなどの事業を売却し財政状態を改善した。2020年の学年度の終わりには2018年にスタートした教育事業WeGrowの運用を停止する計画だ。
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