ユーザーローカル、Google発の自然言語処理モデル「BERT」採用 チャットbotの構築を効率化
ユーザーローカルが、Google発の自然言語処理モデル「BERT」を導入。法人向けのAI自動応答システムの構築作業を効率化した。
ユーザーローカルは2月5日、米Google発の自然言語処理モデル「BERT」を活用して、法人向けのAI自動応答システム「ユーザーローカル サポートチャットボット」の構築作業を効率化したと発表した。
同システムは、コンタクトセンターなどの問い合わせ対応をAIで自動化するもの。消費者からの質問を独自のAIエンジンで分析し、チャットbotが適切な答えを返すことで、オペレーターなどの労働時間を削減するメリットがある。
ただし、AIエンジンを構築する際は、過去の問い合わせ履歴などを教師データとして学習させた上で、「どの質問にどんな回答を返すか」というロジックを作り込む必要があっため、本番稼働までに時間を要していたという。
この課題の解消に向けて、ユーザーローカルが採用したBERTは、米Googleが2018年11月に発表した自然言語処理モデル。長い会話文などの複雑なテキストデータを解析し、その文脈や意図をくんだ結果を導き出せる点が特徴だ。
具体的には、「領収書は発行できる?」「レシートがほしい」といった問い合わせが、「領収書を希望している」という共通した意味を持つと判断し、同じクラスタに分類する――といったことが可能だ。
ユーザーローカルは今回、この仕組みによって教師データの分類を自動化。よりスムーズにチャットbot用のAIを構築できるようにした。
従来は、チャットbotの基本的な構築は同社が行っていたものの、教師データの分類などの下準備は顧客企業に一任していた。BERTの導入によって、顧客企業の負担を軽減する考えだ。
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