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トヨタよりも50年以上前に、実験的未来都市を計画した男がいた新連載 テック・イン・ワンダーランド(2/3 ページ)

トヨタ自動車が静岡県に実験都市を建設する──筆者は、そんな報道に少し既視感を覚えました。いまから50年以上前、ウォルト・ディズニーが「EPCOT」という計画を打ち出していたのです。

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 フロリダ、オーランドに計画されていた第2のテーマパーク、ディズニー・ワールドは彼をたたえて「ウォルト・ディズニー・ワールド」に改称、71年に第1のテーマパーク、マジック・キングダムがオープンします。その後82年にオープンした2つ目のパークが「エプコット」です。

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フロリダ、ウォルト・ディズニー・ワールドの「エプコット」。ワールド・ショーケースには日本パビリオンもあるが、ウォルトが夢見たEPCOTとは程遠い=筆者撮影

 とはいえ、テーマパークとして登場したエプコットは、ウォルトの夢見た実験的未来都市とは懸け離れた、純然たるテーマパークそのものでした。そのエプコットと呼ばれるテーマパークは、印象としては「万国博覧会」といったところ。しかし(私を含む)ディズニーファンは世界でも一、二を争うレベルでこのパークを愛しています。その理由はやはり、ウォルトの思想がベースとなった場所だからでしょうか。

 ウォルトの目指したEPCOTは、その全てが未実現というわけでもありません。移動手段として考えられていた交通システムとして、面積約110平方キロ(山手線1周の約2倍の広さ)のウォルト・ディズニー・ワールド内を移動するモノレールが作られています。アトラクションとしては、ピープルムーバー(トゥモローランド・トランジット・オーソリティー)も現実のものになっています。

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モノレールはいまもウォルト・ディズニー・ワールド内を結ぶ重要な交通手段=筆者撮影
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ピープルムーバーは現在、アトラクションの一つとして実現されています

 さらに19年、新たな交通手段として輸送効率が非常に高いロープウェイ形式の「ディズニー・スカイライナー」もオープンしました。ちなみにピープルムーバーに乗っていると、東京ディズニーランドでもおなじみのスペースマウンテン内に、ウォルトが夢見た未来都市の模型を見ることができます。

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ウォルト・ディズニー・ワールド「ピープルムーバー」では、ウォルトが夢見たEPCOT計画モデルを見ることができる=筆者撮影

テーマパークはいまと未来、技術と魔法を結ぶもの

 この原稿を書き上げようとしたタイミングで、ディズニーがちょっと面白い動画を公開しました。

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