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前橋市がNTT東日本提訴へ 教育委員会の不正アクセス事件を受け(2/2 ページ)
群馬県前橋市は、同市教育委員会で2018年に発生した不正アクセス事件を受け、教育委員会のネットワーク機器やサーバの保守などを請け負ったNTT東日本を提訴する方針を明らかにした。約1億7700万円の損害賠償を求める。
前橋市教育委員会は3月16日、不正アクセスに気付き、公開用サーバへのアクセスを遮断。ネットワークの保守などを委託していたNTT東日本に調査を依頼した。30日には情報流出の可能性が高いことが分かり、4月3日には前橋警察署や群馬県警察本部などと連携して捜査を始めた。
第三者委員会の調査によると、NTT東日本は15年、前橋市教育委員会のネットワーク機器やサーバなどをデータセンターに移管する作業を委託され、システムの構築やその後のファイアウォールでのアクセス制御や保守なども請け負っていた。
しかし、「外部からのアクセス制限ができていなかった」「セキュリティアップデートが行われなかった」など、契約で定められた義務が果たされていなかったという。
前橋市教育委員会は19年1月からNTT東日本と損害賠償について話し合いを進めたが決着が付かなかったため、同市は提訴する方針を決めた。20年3月に開かれる前橋市の定例議会で提案が可決されれば提訴する。
前橋市の提訴についてITmedia NEWSがNTT東日本に問い合わせたところ「対応は弁護士に委ねている。実際に提訴されるかどうかも含め、(訴訟の)中身や(NTT東日本の)立場はお答えできない」と説明した。
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