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コラム

「Box」vs.「Dropbox」――独立系クラウドストレージの覇権争いはどうなる? 機能の進化から戦略を読み解く(3/3 ページ)

独立系クラウドストレージとして、国内外で多くのユーザーを抱える「Box」と「Dropbox」。両社にはどのような強みと弱みがあり、互いに勝つためにはどんな取り組みが必要なのか。近年の機能追加をもとに、両社の戦略と展望を読み解く。

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BoxとDropbox、それぞれの強みと弱みとは

 BoxはDropboxに顧客数では負けているが、大手企業で採用されており、そこから口コミ的に横展開で企業の利用が広がってきた。とはいえ、一連の機能追加を行ってきたものの、市場でのブランディングの浸透度はDropboxと比べると弱いところがある。今後さらに顧客企業を増やし、Dropboxの規模に近づくには、企業向けコンテンツ管理プラットフォームとしての幅広い認知が必要となるだろう。

 Dropboxはコンシューマー向けサービスから市場へのアプローチを始めたこともあり、認知度は高いものがある。しかし、クラウドストレージとして比較的カジュアルに使えるツールと捉えられやすく、エンタープライズ向けのクラウドコンテンツ管理ツールとしてのイメージはBoxほど強くない。Dropboxには十分な顧客ベースがあるので、現状Dropboxをクラウドストレージとしてしか使っていない顧客に、近年強化してきた「Spaces」「Paper」といった組織向けコラボレーション機能の価値を理解してもらうことが、Boxに差をつける上でのカギとなるだろう。

 ただし、BoxとDropboxにとっては、米Microsoftの「OneDrive」や米Googleの「Google Drive」なども潜在的な競合になり得る。彼らと直接競合するのではなく、企業向けコンテンツ管理プラットフォームとしての市場を新たに確立することも、両社のビジネスを伸ばすには必要となるはずだ。

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