新型コロナで突然のテレワーク、3週間たって記者が感じたこと
新型コロナウイルス感染拡大を受け、多くの企業がテレワークに取り組んでいる。実は記者もその一人。テレワークを始めてから3週間がたち、メリットとデメリットの両方が見えてきた。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、さまざまな企業が在宅勤務や時差出勤を導入している。1月末に在宅勤務体制に移行したGMOインターネットグループでは、熊谷正寿会長兼社長がTwitterに「業績の影響はほぼない」「オフィスが必要なのか真剣に考えている」と投稿し話題になった。同じく在宅勤務体制をとっているドワンゴでは、在宅ワーク中の電気代・通信費を社員に支給。この対応についても、ネットでは大きな反響があった。
こうした世の中の状況を踏まえ、記者も2月中旬からテレワークをやってみることにした。社会人4年目にして初めてオフィスに行かない生活を体験しているが、記事の執筆や外部ライターとのやりとりなどはPCさえあれば自宅でも問題なくできる。
同僚との意思疎通は普段通り、柔軟な働き方も魅力
当初は、会社に行かないと同僚とうまくコミュニケーションを取れないのではないかと少し不安だったが、それも杞憂(きゆう)だった。記事ネタの共有や原稿のチェックはチャットツールを、ミーティングはビデオ会議ツールを、予定管理にはグループウェアを活用すればいい。そもそも、ビデオ会議ツール以外は普段から使っているので、テレワークかどうかで業務内容に影響が出ることはない。ビデオ会議ツールは初めて使ったが、音質・通信ともに問題なく、大きなストレスは感じなかった。
また、在宅勤務のメリットは何といっても毎朝電車に乗る必要がなくなることだろう。往復1時間ずつの通勤時間がゼロになり、朝起きてすぐに仕事を始められる。オフィスでは電話の音や話し声などさまざまな雑音があるが、自宅は静かなので作業に集中しやすい。
取材は電話やメールを使うので、これにも大きな支障は出ていない。発表会取材についても、多くの企業が記者会見を中止する代わりに会見の様子をライブ配信しているので、自宅から視聴して記事を書いている。
作業環境はオフィスが最強、テレワークによるストレスも
もちろん良いことばかりではなく、テレワークのデメリットも感じた。
まず気になったのが、作業環境がやや不便なことだ。オフィスではノートPCを備品の液晶モニターにつなぎ、デュアルディスプレイで作業できるが、自宅ではそれができない。小さなノートPCの画面上で、テキストエディタ、資料、Webブラウザ、チャットツールなどを切り替えるのは煩わしい。
また、社内ネットワークからしかアクセスできない社内システムがある他、編集部宛にかかってくる電話対応もあるため、結局たまに出社しなければならない。
体調面でも変化が出てきた。テレワークでは通勤がなく、体を動かすことがほとんどないため、終業後の筆者は「頭は疲れているが、体は全く疲れていない」という奇妙な状況に陥る。寝ようとしても難しく、体を疲れさせるため、深夜に散歩やランニングに出ることも多い。慣れない生活で体調を崩さないよう気を付ける必要はあるだろう。
良い点・悪い点を含め、3週間テレワークを体験した記者の感想をまとめたが、現時点では「多少のデメリットはあるものの、基本的には普段と変わりなく働けている」という実感がある。これは、PC1台あればどこでも記事を書ける編集記者という仕事の特性も関係しているだろう。
一部の調査では、テレワークの弊害として、「孤独を感じる」「自分以外の仕事の進捗(しんちょく)を把握しづらい」「会議が非効率になる」――と嘆くビジネスパーソンの声もあった。こうした悩みを抱える社員がいる場合は、企業として何らかの対策を講じる必要がありそうだ。
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