米政府の新型コロナスクリーニングサイト、Google系列のVerilyがまずカリフォルニア州で開設
米Alphabet傘下の医療企業Verilyが、3月16日からカリフォルニア州ベイエリアの住民向けに、新型コロナウイルスの感染検査を受けるためのトリアージ(選別)ツールの提供を開始すると発表した。トランプ米大統領が「Googleが来週全米で提供する」としていたものだ。
米Googleの親会社、Alphabetの医療企業Verilyは3月15日(現地時間)、ドナルド・トランプ米大統領が13日に発表した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染した疑いのある人が検査を受けるかどうか判断するための「スクリーニング」Webサイトを、まずはカリフォルニア州で16日に開設すると発表した。
Verilyは「カリフォルニア州政府および連邦政府の保健当局と協力し、サンフランシスコのベイエリアでの感染検査会場とスクリーニングのオンラインツールの構築を支援している。このツールは、公衆衛生の専門家のガイダンスとテストの利用可能性に基づいて、COVID-19の検査を受けるべき人を選別(トリアージ)する」と説明する。
カリフォルニア州ベイエリア在住者は16日から、VerilyのProject Baseline経由でオンラインスクリーニングテストを受けられる。このテストで感染検査を受ける要件を満たした人は、カリフォルニア州内に開設されるテスト会場で検査を受ける資格を得る。検査の結果は、数日以内に通知する。
13日の連邦政府の会見によると、これらのテスト会場は商業施設の駐車場などに開設され、ドライブスルー形式になっており、被験者は車に乗ったまま検査を受けられるという。
トランプ大統領はこのスクリーニングと検査について13日、「早ければ来週全米で展開できる」と会見で語ったが、Verilyはまずベイエリアの特定地域で感染リスクの高い個人の検査から開始し、このパイロットテストで時間をかけて評価をしてから、提供地域を拡大していくと説明する。
トランプ大統領は15日に開いた「新型コロナウイルスタスクフォース」の会見の冒頭で、「私が13日に語ったこと(Googleがスクリーニングサイトを開設すると言ったこと)について、Googleが立証したことを感謝する。(開設するのはVerilyだが)この取り組みを発表したのはGoogleだ。(私が言ったことが間違いだと報じた)あなた方メディアは謝罪するだろう」と語った。同氏はTwitterでも「フェイクニュースメディアは(スクリーニングサイトを開発するのは)Googleではないと言ったが、Googleはこれを否定した。こんな非常事態でもフェイクメディアは信用できない」とツイートした。
Googleは15日、同社が取り組んでいる一連の新型コロナ対策を紹介する公式ブログの中で、Verilyの取り組みについても説明した。
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