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「命に関わる児童虐待」AIで早期発見 児童相談の記録から解析 FRONTEOと練馬区が実験
AIベンチャーのFRONTEOと東京都練馬区が、AIを活用した児童虐待を早期発見するシステムの実用化に向けた実証実験を4月から行う。
AIベンチャーのFRONTEOと東京都練馬区は3月17日、AIを活用した、児童虐待を早期発見するシステムの実証実験を4月から行うと発表した。練馬区が持つ児童相談の記録内容をAIで解析し、過去に一時保護に至ったケースの特徴を抽出。子どもの命に関わる重篤なケースを早期に発見し、適切な対応につなげるとしている。
練馬区子ども家庭支援センターが児童情報を管理する「児童家庭相談システム」の児童記録の中から、一時保護に至ったケースをFRONTEOのAIエンジン「KIBIT」(キビット)で解析。虐待の重篤化につながりやすい特徴を点数化することで、早期に対応が必要なケースの見極めや職員の経験に頼らない判断をサポートする。
練馬区によると、育児やしつけ、養育困難といった多岐にわたる児童相談の件数は年々増加し、2018年度には過去最大の6402件になったという。「区の持つ知見とAIを活用することで、重篤化する可能性のあるケースを見逃すことなく、早期対応に向けた迅速な意思決定を目指す」(練馬区)としている。
今後は実験結果を踏まえ、実用化を検討していく。
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