「青軸」「茶軸」だけじゃない 自作キーボードで多様な進化を遂げた「互換キースイッチ」たちとその先にある改造の“沼”:ハロー、自作キーボードワールド 第4回(3/3 ページ)
キーボードの打鍵感の要となる「キースイッチ」が、自作キーボードの世界で多様な進化を遂げていることを今回は紹介していく。
スイッチフィルム
スイッチのハウジングの間に挟み込むフィルムのこと。主に薄いプラスチック製でできたフィルムだが、挟み込むことでハウジングの締まり具合が変わり、スイッチ押下時のぐらつきなどを減らせる。
ここまで、キースイッチに手を加える改造を3種類を紹介した。他にも異なるキースイッチの部品同士を組み合わせて新たなスイッチを作る「キメラスイッチ」や、バネを好みの長さに切断してストロークや荷重を変化させる「バネ切り」といった改造手法があるが、ここでは割愛する。
まとめとおすすめキースイッチ
前回から2回にかけて、キースイッチの基礎から自作キーボードで用いられる主なキースイッチであるメカニカル方式の説明、メカニカル方式の標準的なスイッチであるCherry MX、および互換キースイッチについて取り上げてきた。
とはいえ、自作キーボードに興味があっても作ったことがなければ、どれを選べばよいのか迷うだろう。最後に、筆者の個人的な好みにもなってしまうが、おすすめのキースイッチを2つ紹介したい。
一つは「Purple Zealios 65g」だ。万人に合うタクタイルタイプで、精度も良いので初めにこれを選んで大きく外すことも無いと思う。ただ、1個当たりの値段が高い(専門店の遊舎工房で5個600円)。予算があるのなら、最初の自作キーボードのキースイッチとしておすすめだ。
次におすすめしたいのは「Kailh Pro Purple」。同じタクタイルタイプでそこそこ精度もよく、何より値段が安い(10個400円)のでコストパフォーマンスがいい。キーが反応する位置がやや浅いが、ゲーミング向けのSpeedシリーズよりは深いので一般的な使用には十分向くだろう。
本連載は初心者向けを想定しているため、筆者の判断でおすすめキースイッチを2つ選ばせてもらったが、最終的には自身との相性が最も重要だ。おすすめしたキースイッチも含め、気になったものを試しにいくつか買ってみて押して比べてみるのがいいだろう。
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