ハロー、自作キーボードワールド 第1回後編
自作キーボード入門法2019 開発者が教える「初めの一歩」(1/2 ページ)
前編では、近年日本で盛り上がりを見せている自作キーボードブームのきっかけを振り返った。後編では、こうした自作キーボードのブームに火が着き始めてから現在に至るまでのここ数年の環境変化について説明しながら、2019年式の自作キーボード入門法を紹介する。
びあっこ(@Biacco42)
自作キーボード「Ergo42」作者。自作キーボードのDiscordコミュニティ「Self-Made Keyboards in Japan」管理人。
ぺかそ(@Pekaso)
自作キーボード「Fortitude60」作者。自作キーボードの基本から設計方法までまとめた同人誌「BUILD YOUR OWN KEYBOARDs」を執筆。
連載:「ハロー、自作キーボードワールド」
自作キーボードの作者であり、キーボード関連のニュース動画「ほぼ週刊キーボードニュース」を配信するぺかそとびあっこが、自作キーボードの世界の“入り口”を紹介していく。
第1回後編はびあっこが執筆。
日本語の情報がなかった2016年から現在までの急成長
ここ数年は、技術ブログやTwitterなどのSNSで「自作キーボード」という言葉を見ることもそれほど珍しくなくなってきた。しかし、3年前の2016年ごろには意外にも、自作キーボードに関する日本語の情報はほとんどない状況だった。
前編でも触れたように、「ErgoDox」という海外コミュニティ発のオープンソースキーボードを紹介した記事が一部ガジェットファンの間で話題になったのが2016年初頭のこと。これをきっかけに日本での「第一次自作キーボードブーム」ともいえる流れが生まれた。
ErgoDoxは左右分離、多彩な親指キーなどの独特な外見で人気を博し、「どうやったらErgoDoxを手に入れられるのか」「自作キーボードキットを輸入するにはどうしたらいいのか」「自作キーボードとは何なのか」という情報が少しずつ日本語で得られるようになってきた。
日本向け通販サイトや実店舗登場 普及の突破口に
それでもなお、自作キーボードキットやパーツの輸入は手軽とは言いがたい状況だった。言語の壁、国際発送による高い送料、1カ月にも及ぶ配送ラグといった壁が立ちはだかる。そうした壁を超えて複雑なパーツ群をそろえる十分な知識が求められた。
自作キーボード専門通販サイト「TALP KEYBOARD」
そんな状況に突破口を開いたのが、2017年9月にスタートした日本発の自作キーボード専門通販サイト 「TALP KEYBOARD」だ。
自作キーボードキットの主要部品である基板やケースの他に、キーボードの制御を行うマイコンやダイオードなどの電子部品、キースイッチやキーキャップなど、キーボードの自作には多くの部品が必要になる。
TALP KEYBOARDは当時輸入に頼るしかなかったこれらのパーツを海外からまとめて輸入し、日本国内向けに小口販売などを行うことで、自作キーボード入門のハードルを大幅に下げた。
当時「Ergo42」を設計・試作していた筆者としても、試作パーツを海外から輸入するコストや時間を大幅に削減することができ、非常に助けられた思い出がある。最近では、中国で流通している掘り出し物的なリーズナブルでかわいらしいデザインのキーキャップの販売や、木材やラメ入りアクリルなど特殊な材質を利用したキーボードケースの設計や製造など、新たな方向性を模索しているようだ。
国内初、自作キーボード専門店舗「遊舎工房」爆誕
TALP KEYBOARDと並び、日本の自作キーボードブームを語る上で欠かせないのが、2018年3月に自作キーボード通販サイトを開設し、19年1月には国内初の自作キーボード専門店を秋葉原(末広町)に開店したことで話題を呼んだ「遊舎工房」だ。
遊舎工房はTALP KEYBOARD同様、自作キーボードに特化した通販サイトを運営する他、実店舗では実際に自作キーボードを触って、購入して、その場で組み立てまでできる体験型の自作キーボード販売を展開。日本における自作キーボード入門の門戸を大きく開いた。
自作キーボードキットはそのカスタマイズ性から、基本的にキースイッチやキーキャップを同梱しておらず、キット購入者は別途これらをそろえる必要がある。自作キーボードを始めようとする人にとってはまずここにハードルがあるといえるが、遊舎工房はキットと同時にパーツも購入できる環境を提供。さらにその場で組み立てまでできるという手軽さが特徴だ。組み立てで分からないことはスタッフに聞くこともできる。
当初は遊舎工房創業者のないん氏が開発した国産自作キーボードキット「Helix」の通販という色合いが強かった遊舎工房だったが、徐々に品数を増やし、現在では全世界で見てもトップクラスの品数・種別をそろえる自作キーボード専門店となっている。
また、創業者が自作キーボード設計者であるないん氏であったり、国内で先駆けて自作キーボードキットの通販を開始したひよこ氏が実店舗開店に伴って参画していたりと、自作キーボードコミュニティとの距離の近さとスピード感も同店の魅力の一つといえる。
こういった自作キーボードを取り巻く環境の変化、それを巻き起こしたプレイヤーの活躍によって、2016年ごろに比べると自作キーボードを始めるハードルはグッと低くなってきている。
実際に、筆者が管理人を務めている国内最大規模の自作キーボードのDiscordコミュニティである 「Self-Made Keyboards in Japan」は、ここ2年でそのメンバーを急速に増やしており、近年のブームといわれる状況を反映している。
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ハロー、自作キーボードワールド
自作キーボードの作者であり、キーボード関連のニュース動画「ほぼ週刊キーボードニュース」を配信するぺかそとびあっこが、自作キーボードの世界の“入り口”を紹介していく。
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