Zoom、会議ID非表示などセキュリティ関連のアップデート
新型コロナの影響でユーザーが急増し、セキュリティ問題も浮上しているZoomがセキュリティ関連のアップデートを行った。ホスト向けの「Security」アイコンを追加し、タイトルツールバーでの会議ID表示をやめた。
米Zoom Video Communicationsは4月8日(現地時間)、Web会議サービス「Zoom」をアップデートし、セキュリティ関連のアップデートを行ったと発表した。
最も目立つのは、「Security」アイコンの追加だろう。ホスト(主催者)用のコントロールバーの「Invite」アイコンがあった位置に表示されるようになった。
このメニューで、会議室のロック、待機室の有効化、参加者の削除、参加者の権限(画面共有、チャット、名前の変更、共有コンテンツへのコメント)管理が可能だ。それぞれ既にある機能だが、1カ所にまとめることで使いやすくした。
なお、「Manage Participants」アイコンは「Participants」に名称が変わり、「Invite」機能はここにマージされた。
また、会議IDがタイトルツールバーに表示されなくなった。タイトルはすべて「Zoom」だけになる。会議IDが表示されていたことで、例えば参加者がZoomのスクリーンショットをSNSなどに投稿し、Zoombombingに繋がることがあったことへの対策だ。
新型コロナウイルス感染症対策で在宅で繋がり合おうとする人が急増する中、使い方が簡単なZoomの利用者も急増した。同サービスは元々は企業のIT管理者による管理を前提としていたこともあり、一般的なユーザーによる使用で様々な問題が浮上しており、創業者でCEOのエリック・ユアン氏が改善を約束した。Zoomeは同日、外部のCISO評議会を立ち上げたことも発表した。
【更新履歴:2020年4月9日午前8時50分 新機能の追加ではなく、アップデートなのでタイトルと本文を修正しました。】
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