Zoombombingは犯罪 米司法省が警告
新型コロナの影響でユーザーが急増したWeb会議サービス「Zoom」で問題になっている「Zoombombing」は逮捕または罰金の対象であると、米司法省が警告し、被害者はFBIに報告するよう呼び掛けた。
「Zoombombingは楽しいか? 逮捕されてから楽しいかどうか考えてみるといい」──米司法省(DoJ)は4月3日(現地時間)、Web会議サービス「Zoom」で多発している、いわゆるZoombombingは犯罪であり、逮捕または罰金の対象であると警告した。
Zoombombingとは、パブリック設定のZoomの会議に悪意を持って侵入し、ポルノ画像などの不適切な画像を共有したり、脅迫的な言動をしたりして会議を荒らす行為を指す。新型コロナウイルス感染症のパンデミックで一般的なユーザーによる利用が急増したZoomで、新たな問題になっている。
米司法省は、Web会議のハッキングは連邦政府あるいは州政府から起訴される可能性があると警告した。Zoombombingは、公開会議の妨害、コンピュータ侵入、コンピュータを使用した犯罪、憎悪犯罪、詐欺、脅迫的な通信の送信に当たり、こうした罪状はすべて、罰金と懲役の対象になるとしている。
司法省はこの警告のプレスリリースで、Zoom利用者に対するZoombombingを防ぐための注意事項も紹介した。
- 会議を公開しない
- SNSに会議へのリンクを投稿しない
- 画面共有設定を「ホストのみ」に変更する
- Zoomの最新アプリを使う
また、Zoombombingの被害に遭ったユーザーはFBIの犯罪苦情センターに報告するよう推奨している。
Zoom自体も4月4日、Zoombombingの対策を追加した。ただし、そのうちの1つである「待機室」機能については、トロント大学の研究者が脆弱性を発見したため、Zoomがそれを修正するまで無効にするよう呼び掛けている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
Zoom、パスワード強化と「待機室」追加 “Zoombombing”対策で
新型コロナの影響でユーザーが急増し、セキュリティやプライバシー問題が浮上しているWeb会議サービス「Zoom」に、招かれざる参加者によるいたずら“Zoombombing”を防ぐ2つの機能が追加された。パスワード強化と、参加者を入室前にチェックするための「待機室」機能だ。
Zoom、北米のWeb会議の暗号キーを誤って中国データセンター経由にした問題について説明
Zoomの暗号化について調査していたトロント大学の研究者が、会議の暗号キーが中国のサーバを経由していたことを確認し、その危険性を指摘した。Zoomはこれを受け、誤ってジオフェンシングをしそこねていたが、実装したと説明した。
ZoomのCEOが一連の問題について謝罪 修正と透明性を約束
新型コロナの影響でユーザーが急増したWeb会議サービスZoomで次々と明らかになった問題について、創業者CEOが謝罪し、向こう90日間リソースを集中して対策に取り組むと約束した。過去3カ月でユーザー数は1000万人から2億人に増加したという。
ZoomのWindows版にユーザーログイン情報窃盗に繋がる脆弱性
ZoomのWindowsクライアントにWindowsのログイン情報を盗まれる恐れのある脆弱性があるとセキュリティ専門家が指摘した。UNCをハイパーリンク化できるので、パブリックグループに投稿された出自不明のハイパーリンクをクリックするのは危険だ。
ZoomのMac版、インストール時にマルウェア的な挙動 セキュリティ専門家が指摘
ZoomのMac版のインストールプロセスが、Appleのセキュリティを回避する一般にマルウェアで使われる動作になっているとセキュリティ専門家が指摘。ZoomのCEOはWeb会議参加までのステップを簡単にするためだったが改善すると表明した。
Zoomに複数の脆弱性が判明 Web会議の「乗っ取り」被害、全米で相次ぐ
ZoomのWindowsクライアントとmacOSクライアントに未解決の脆弱性が判明した。FBIは「ZoomのWeb会議が乗っ取られる被害が相次いでいる」として注意を呼び掛けた。
「Zoom」の「Web会議をエンドツーエンドで暗号化している」表記は誤解を招くと専門家
新型コロナ対策でユーザーが急増中のWeb会議サービス「Zoom」。公式サイトには「すべてのミーティングに対するエンドツーエンドの暗号化」とあるが、実際にはそうではないとInterceptが報じた。
新型コロナでビジネスアプリ需要が急増 「ZOOM」はイタリアで55倍に──App Annie調べ
新型コロナウイルス感染症対策の自宅待機令やロックダウンが拡大する中、テレワークに必携のビジネスアプリの世界でのダウンロード数が急増している。App Annieによると「ZOOM」のダウンロード数は例えばイタリアでは55倍になった。
