ニュース
たらこの品質を検査するAI 明太子のやまやとIBMが開発 グレードや異物の有無を判定
たらこの異物検査やグレード判定ができるAIが登場。日本IBM、食品メーカーのやまやコミュニケーションズなど3社が開発した。作業員と同等以上の精度で品質を判定するという。
日本アイ・ビー・エム(IBM)は4月27日、辛子明太子の製造・販売を手掛けるやまやコミュニケーションズと、システム開発企業のシグザムと共同で、たらこ製造工程の異物検査やグレードの判定ができるAIを開発したと発表した。たらこの表面から、微生物や繊維などの異物が適切に除去されているか否かを検査し、ベテラン作業員と同等以上の精度で品質を判定するという。
やまやは今後、試験運用を行った後に、このAIを2021年に稼働開始予定の新工場に導入する計画だ。同社は現在、異物検査とグレード判定を、海外を含む複数の工場で人力で行っている。そのため、新工場に両業務を集約し、完全に自動化することで、大幅な省人化とコスト削減が期待できるという。
AIの構築に当たっては、ディープラーニングの技術を用いた画像認識の実証実験と、作業員によるグレード判定を再現するAIモデル開発を実施。「人間と同等かそれ以上の精度で、異物検査やグレード判定が可能であると実証した」としている。
一連の作業には、日本IBMのAI開発プラットフォーム「IBM Watson Machine Learning Community Edition」と、AIワークロード向けに設計した専用サーバ「Power System AC922」を使用した。
関連記事
- 「天然マグロ」の品質、AIが判定 職人の目利きと約85%一致
電通など3社が、AIの画像解析技術によって冷凍天然マグロの品質を判定するシステム「TUNA SCOPE」を発表。水産加工業者がマグロの検品業務に使用したところ、判定結果の約85%が職人と一致した。高評価と判断したマグロをすし屋に出品した結果、客の約89%から高評価を得た。 - 人工知能は新型コロナの流行を知っていた パンデミック対策の最新事例
新型コロナウイルス感染症が世界中で大流行している。パンデミックに立ち向かう手段として進むAI活用。海外の最新事例を紹介する。 - 最大20人の体温を同時測定 アイリスオーヤマ、「AIサーマルカメラ」を発売
アイリスオーヤマが、カメラに写った人の体温をリアルタイムに測定する「ドーム型AIサーマルカメラ」を20日に発売する。離れた場所から最大20人まで同時に測定でき、施設内などでの新型コロナウイルスの感染防止に役立つとしている。価格は90万円(税別)。 - AIの基礎をZoomで講義 新人研修用の新プログラム テレワーク中の学びを効率化
AIやデータ分析に関する法人向け研修などを手掛けるデータミックスが、AIやデータ分析の基礎を学べるオンライン研修プログラムを提供する。全社的なテレワークで新人研修の実施に苦戦している企業を支援する狙い。 - アイリスオーヤマ、AIカメラ事業に参入 顔認識に対応、30万5000円から
アイリスオーヤマが、AIカメラ事業に参入する。カメラにAIを搭載したことで、顧客分析や店内の動線把握などに使えるとしている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.