ずっと無料で使えるクラウド「Free Tier」主要サービスまとめ(主にIaaS・PaaS) 2020年版(1/3 ページ)
クラウドサービスの多くには、期限なく無料で使える「Free Tier」というサービスが存在します。これらは開発環境やテスト環境としてクラウドを試すには非常に有効です。本記事では、主要なベンダーが提供しているFree Tierを紹介します。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「ずっと無料で使えるクラウドの「Free Tier」主要サービスまとめ。2020年版」(2020年5月13日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
クラウドの多くでは、1年程度の無料トライアルやクーポンなどに加えて、期間の制限なくずっと無料で使える、いわゆる「Free Tier」や「Always Free」と呼ばれる無料枠のサービスも提供されています。
こうした無料枠は開発環境やテスト環境としてクラウドを試すうえで非常に有効です。ここではクラウドのFree TierやAlways Freeとして提供されているおもなサービスをまとめました。
Amazon Web Services(AWS)
「AWS無料利用枠」のWebページを開き、左側にあるフィルター条件で「無期限無料」をチェックすることで、無期限に無料で提供されるサービスの一覧を見ることができます。
おもに次のようなサービスが無期限無料で提供されています。
- AWS Lambda
サーバレスコンピューティングの実行環境を提供します。1カ月あたり100万リクエスト、最大320万秒コンピューティング時間まで利用可能。
- Amazon DynamoDB
スケーラブルなNoSQLデータベースサービスです。25GBストレージのストレージ容量、25 個のプロビジョニングされた書き込みキャパシティーユニット (WCU)、25個のプロビジョニングされた読み込みキャパシティーユニット (RCU)まで利用可能。
- Amazon SNS
マネージドなプッシュメッセージングサービスです。100万件の発行、10万件のHTTP/S配信、1000件のメール配信が可能。
- Amazon CloudWatch
AWS のクラウドリソースとアプリケーションのモニタリングを行います。10カスタムメトリクスおよび10アラーム、100万件のAPI リクエスト、5GBのログデータの取り込みおよび 5GBのログデータのアーカイブ、毎月最大 50 メトリクスのダッシュボード3個まで利用可能です。
その他Amazon CodeBuild、Amazon CodecommitやAmazon Codepipelineなど多くのサービスが無期限無料で提供されています。詳細な利用条件や制限などはAWSのWebサイトでご確認ください。
Microsoft Azure
「Azure の無料アカウントを今すぐ作成しましょう | Microsoft Azure」のWebページを開き、スクロールして「いつでも無料なのは、どの製品ですか。」の画面で、無期限に無料で提供されるサービスの一覧を見ることができます。
おもに次のようなサービスが無期限無料で提供されています。
- Azure App Service
.NET、Java、Node.js、Python、PHP、Rubyなどのプログラミング言語を用いたアプリケーションを実行できます。10個までのWebアプリやモバイルアプリ、APIアプリを、1GBメモリ、1GBストレージで1日あたり60CPU分まで利用可能。
- Azure Functions
サーバレスコンピューティングの実行環境を提供します。1カ月あたり100万回の実行回数と、40万GB秒のリソース消費が利用可能。
- Azure Cosmos DB
グローバルに分散するマルチモデル データベースサービス。5GBストレージ容量と最大400RU/sのスループット。RUとはRequest Unit=要求ユニットのことで、1RUは1KBのアイテムを読み取るコストに相当します。
- Azure DevOps
GitのリポジトリやCI/CD、ビルドおよびリリースの自動化機能などを提供します。無制限のプライベートGitリポジトリ付きで5ユーザーまで利用可能。
その他Azure Kubernetes Service、Event GridやDevTest Labsなど多くのサービスが無期限無料で提供されています。詳細な利用条件や制限などはMicrsoft AzureのWebサイトでご確認ください。
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