ずっと無料で使えるクラウド「Free Tier」主要サービスまとめ(主にIaaS・PaaS) 2020年版(2/3 ページ)
クラウドサービスの多くには、期限なく無料で使える「Free Tier」というサービスが存在します。これらは開発環境やテスト環境としてクラウドを試すには非常に有効です。本記事では、主要なベンダーが提供しているFree Tierを紹介します。
Google Cloud
「Google Cloud Platform の無料枠」のWebページを開き、スクロールして表示される「Always Free プロダクト」で、無期限に無料で提供されるサービスの一覧を見ることができます。
おもに次のようなサービスが無期限無料で提供されています。
- Google Compute Engine
仮想マシンを提供します。0.2仮想CPU、0.6GBメモリ、30GBストレージを備えたf1-microインスタンスが利用可能。
- Google Cloud Functions
サーバレスコンピューティングの実行環境です。1カ月あたり200万回の呼び出し、40万GB秒のメモリ、20万GHz秒のコンピューティング時間が利用可能。
- Google Cloud Run
ステートレスコンテナを実行できるマネージドサービスです。1カ月あたり200万回のリクエスト処理、36万GB秒のメモリ、18万vCPU秒のコンピューティング時間が利用可能。
- Google App Engine
高度なスケーラビリティを備えたサーバレスなアプリケーション実行環境。1日あたり28インスタンス時間、5GB のクラウドストレージ、共有Memcacheなどが利用可能。
- Google Cloud Storage
高速なアクセスから低速で安価なアクセスまで対応するオブジェクトストレージ。5GBのストレージ容量、1カ月あたり5000回のクラスAオペレーション、5万回のクラスBオペレーションが利用可能。
- Google Firestore
スケーラブルなNoSQLドキュメント データベース。1GBストレージと、1日あたり5万回の読み取りオペレーション、2万回の書き込みオペレーション、2万回の削除オペレーションが利用可能。
- Google BigQuery
大規模なデータウェアハウスを提供します。
10GBストレージと1カ月あたり1TBクエリ使用量が利用可能。
- Google Cloud Build
高速で信頼性の高いビルドの実行環境。1日あたり120ビルド分数が利用可能。
- Google Cloud Source Repositories
プライベートGitリポジトリ。最大5ユーザーまで、50GB のストレージが利用可能。
その他Google Kubernetes Engine、Cloud Pub/SubやVideo Intelligence APIなど多くのサービスが無期限無料で提供されています。詳細な利用条件や制限などはGoogle CloudのWebサイトでご確認ください。
IBM Cloud
IBM Cloudでは、「ライト・アカウント」と呼ばれるFree Tier専用のアカウントを作ることができます。ライト・アカウントはクレジットカードの登録不要で無期限の無料サービスを利用可能です。
「IBM Cloud無料層」のWebページを開き、「無料のIBM Cloudサービス」の「ライト」の項目を選択すると、ライト・アカウントで利用可能なサービスの一覧を見ることができます。
おもに次のようなサービスが無期限無料で提供されています。
- Cloud Foundry
Java、Node.js、ASP.NET Core、Go、PHP、Python、Ruby、Runtime for Swift、Tomcatの実行環境を備えたPaaSです。最大256MBのメモリを利用可能。ただし開発が非アクティブになると10日後にスリープ状態になります。
- IBM Cloud Object Storage
オブジェクトストレージを提供します。25GBの容量まで利用可能。
- IBM Db2
リレーショナルデータベースのDb2をマネージドサービスで提供します。100MBのデータストレージが利用可能。
- IBM Cloudant
フルマネージド型の分散JSON文書データベース。1GBのデータストレージが利用可能。
その他ログ分析、Activity TrackerやAnalytics Engineなど多くのサービスが無期限無料で提供されています。詳細な利用条件や制限などはIBM CloudのWebサイトでご確認ください。
Oracle Cloud
「Oracle Cloud Free Tier | Oracle 日本」のWebページを開き、スクロールして表れる「常時無償のクラウド・サービスにはどのようなものがありますか?」の項目に、Free Tierの概要が説明されています。
おもに次のようなサービスが無期限無料で提供されています。
- Oracle Cloud Compute
仮想マシンを提供します。それぞれ1/8OCPUと1GBのメモリを搭載した2つの仮想マシン(OCPUとは、ハイパースレッディングが有効なXeonプロセッサの1物理コア相当のCPU性能)
- Oracle Cloud Storage
オブジェクトストレージを提供します。合計100GBまでの2つのブロックストレージボリューム。10GBのオブジェクトストレージ。10GBのアーカイブストレージ。
- Oracle Autonomouse Database
トランザクション処理に向いた「Autonomous Transaction Processing」と、データウェアハウスに向いた「Autonomous Data Warehouse」をマネージドサービスとして提供します。それぞれ1OCPUと20GBのストレージを搭載したデータベースを2つまで利用可能。
- Oracle Cloud Infrastructure Load Balancing
ネットワークのロードバランサーを提供します。10Mbpsの帯域幅を持つ1つのインスタンスが利用可能。
その他監視、通知、メール配信なのサービスが無期限無料で提供されています。詳細な利用条件や制限などはOracle CloudのWebサイトでご確認ください。
【関連記事】[速報]Oracle Cloudを期限なく無料で使える「Always Free」発表。1GBのVM2つ、Autonomous Database 2つなど提供。Oracle OpenWorld 2019
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