「楽天の通信量アップは寝耳に水」「競合として対抗」 KDDI高橋社長、楽天へのライバル意識あらわに(2/2 ページ)
KDDIが決算会見を開催。高橋誠社長が登壇し、ローミングで支援する楽天の動きについて「(通信量アップは)寝耳に水」などとコメントした。今後は「UQ mobile」事業を運営子会社から取得し、体制を強化する。
20年3月期は増収増益
KDDIが同日発表した2020年3月期通期(19年4月〜20年3月)の連結決算は、売上高が前年同期比3.1%増の5兆2372億円、営業利益が同1.1%増の1兆252億円、最終利益が同3.6%増の6398億円と増収増益だった。
端末の販売台数が減少したものの、auじぶん銀行の連結子会社化による金融事業の収益増などでカバーした。法人向け通信サービスも堅調に推移した。
20年3月末時点での、個人向け通信サービスにおけるau契約者数は2410万人(前年同期比1.7%減)、MVNO契約者数は307万人(同25.4%増)だった。3月に始めた商用5Gサービスの契約者数は開示していない。
今後は法人・個人を問わず5Gサービスを強化する方針。6月にはデータ容量の上限がなく、「Netflix」「Apple Music」「YouTube Premium」などの通信量をカウントしないプランを個人向けにリリースする予定だ。顧客企業の工場に5Gを導入する案件も決まっているという。
金融・決済事業では5月末に、「au WALLETポイント」と「Pontaポイント」の統合を控えている。
こうした施策を打つものの、新型コロナウイルスの影響を考慮し、21年3月期通期(20年4月〜21年3月)の連結業績予想は、売上高が前年同期比0.2%増の5兆2500億円、営業利益が同0.5%増の1兆300億円、最終利益が横ばいの6400億円と、20年3月期とほぼ同水準を見込む。
高橋社長は「新型コロナの関係で5Gは穏やかなスタートになったが、遠隔での医療や教育など、5Gの体験価値を広めたい」とし、新型コロナの状況によっては、さらに上の業績を目指せるとの考えを示した。
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