ミクシィの20年3月期、最終利益60%減も予想上回る業績 モンストの「鬼滅の刃」コラボなど貢献
ミクシィが2020年3月期通期の連結決算を発表。最終利益は前年同期比59.6%減の107億円となった。ただし、「モンスト」の他社IPとのコラボ企画が好調で、20年3月末に上方修正した業績予想をさらに上回る結果で着地した。
ミクシィが5月15日に発表した2020年3月期通期(19年4月〜20年3月)の連結決算は、売上高が前年同期比22.1%減の1122億円、営業利益が同58.2%減の172億円、最終利益が同59.6%減の107億円と減収減益だった。
主力のスマートフォンゲーム「モンスターストライク」(モンスト)の売上高は減少したものの、「鬼滅の刃」などの他社IPとのコラボレーション企画の好調によって、期初の想定よりも下げ幅を抑え、20年3月末に上方修正した業績予想をさらに上回る結果で着地した。
同社の木村弘毅社長は「モンストは適切な施策を打つことができれば高い売上につながることが分かり、自信になった。今後もユーザーにサプライズを提供したい」と語った。
モンストなどのゲーム運営やプロスポーツチームの経営を含むエンターテインメント事業は、売上高が前年同期比22.6%減の1072億円、営業利益が同38.8%減の316億円。
目標に掲げていたモンストのV字回復はならなかったが、他社IPとのコラボが想定を上回る収益をもたらした。一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、保有するプロバスケットボールチーム「千葉ジェッツ」などの試合が中止になり、減収につながった。
SNS「mixi」や写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」などのライフスタイル事業は、売上高が前年同期比8.7%減の50億円、営業損益が7億円の赤字(同17億円の赤字)。オンライン年賀状サービス「みてね年賀状」の提供を始めて収益力を改善した。
21年3月期通期(20年4月〜21年3月)の通期業績予想は、売上高が前年同期比10.9%減の1000億円、営業利益が同35.9%減の110億円、最終利益が同39.4%減の65億円と減収減益を見込む。
今後はモンストで他社IPとのコラボを積極的に行う他、競馬や競輪などの公営競技に関する事業に注力する。ミクシィは競輪車券のWeb投票サービス「チャリロト.com」を運営するチャリ・ロトを19年2月、競馬情報サイト「netkeiba.com」を運営するネットドリーマーズを同年11月に買収しており、両社との共同事業などによって収益化を目指すとしている。
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