緊急事態宣言下でも約6割が「毎日出社」、リモートワークの実態は
カオナビは5月26日、リモートワークに関する実態調査の結果を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて実施した。調査の結果、緊急事態宣言下でも約6割の人が「毎日出社」していたことが分かったという。
緊急事態宣言下でも58.5%の働き手が「毎日出社」をしていた――。カオナビは5月26日、リモートワークに関する実態調査の結果を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて実施したという。
調査対象は、20〜60代の自由業を除く全国の有業者9721人。5月1〜7日にネットで調査した。同調査における「リモートワーク実施率」は、オフィスへの出社状況を問う設問に対して、「毎日リモートワーク」もしくは「週に2〜3日出社し、その他はリモートワーク」と回答した人の割合を指す。
調査によると、全国的に緊急事態宣言が出ていた時期でも全体の58.5%が「毎日出社」していたことが分かった。リモートワーク実施者については、「毎日リモートワーク」が17.4%、「週に2〜3日出社し、その他はリモートワーク」が18.1%だった。カオナビは「緊急事態宣言下でのリモートワーク実施率としては低い印象を受ける」としている。
地域別にみると、首都圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)のみリモートワーク実施率が50%を超えた。「中部」「中四国・九州」「東北・北海道」で毎日出社している人の割合はそれぞれ70%を超えており、「東北・北海道」が74.7%と一番高いなど、地域差がみられた。
業種別にみると、リモートワーク実施率が最も高いのは「IT・インターネット」の68.4%。「毎日リモートワーク」の割合も、他の業種より2倍以上高い52.0%だった。それに対して、「小売・外食」「流通」のリモートワーク実施率はそれぞれ22.8%、25.3%と低い。カオナビは「現場での業務が多い業種のため、妥当な結果といえる」と結論付けている。
職種別のリモートワーク実施率は、「営業職」(51.6%)、「事務系管理職」(46.5%)、「事務職・技術系事務職」(44.4%)が上位を占めた。一方で、「ドライバー」「工場などの生産職」「販売・サービス」など現場に出ることが必要な職種は、実施率が低かった。
また、会社の規模が大きいほどリモートワーク実施率が高いことも分かった。従業員が5000人以上の会社に勤める人の実施率は49.4%だったが、従業員が10〜49人の会社の場合は実施率が23.3%にとどまった。
調査を実施したカオナビHRテクノロジー総研の内田壮所長は、リモートワークが浸透しない理由として「環境の整備不足」「マネジメント上の課題」などを挙げた。他にも、医療現場や工場などではリモートワークが難しいとしている。同社では今後も調査を継続し、6月10日にリモートワーカーの声に焦点を当てた考察を発表するという。
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