「手間がめちゃくちゃ減った」 郵送とオンラインのハイブリッド給付金申請、非エンジニアの市職員が開発 経緯を聞いた(2/2 ページ)
政府が一律10万円を支給する「特別給付金」を巡り、オンライン方式よりシンプルで、郵送方式より素早く給付金を支給できるという兵庫県加古川市の申請方式「郵送ハイブリッド方式」が注目を集めている。
「いかに早く間違いなく支給できるか」 開発の経緯
郵送方式は申請用紙に必要事項を記入する時間や、書類をコピーする手間、封筒を用意して郵送する作業などが市民の負担になっていた。申請を受け付ける加古川市側でも、届いた申請書を職員が封筒から出して中身をチェックし、手作業でデータ化しており時間がかかっていた。
加古川市は「マイナンバーカードを使った申請は便利で、市としても推進する」としているが、市内におけるマイナンバーカードの普及率は18%程度で、実際の申請も4000件程度だという。
市の担当者は「早く(給付金を)支給したい。そのためには事務作業をどれだけ早く、間違いのないようにできるかが問題」と考え、21日にハイブリッド方式を考え出したという。コーディング不要の業務システム開発ツール「kintone」(サイボウズ)などを使い、22日には申請システムを内製。27日に公開した。
ハイブリッド方式の導入で、職員の事務処理の手間は「めちゃくちゃ減った」(加古川市)という。申請用紙の処理やデータ入力の手間がないうえ、申請ページで市民が入力する項目をできるだけ減らしたことで、申請時のミスも減ったという。
この結果を受け、加古川市はハイブリッド方式のシステムを作るためのkintone用テンプレートをオープンデータとして29日に公開した。
「(他の自治体の)皆さんも大変で頑張っている。非常にたくさんの職員が投入されているため、少しでも作業を楽にしたい。他の自治体も早く給付金を支給してほしい」(加古川市)
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