Facebookによるトランプ大統領の問題投稿を放置する決定に従業員が抗議運動
Twitterが非表示にしたのと同じトランプ大統領の問題投稿を放置するFacebookの決定に反対する従業員らがバーチャルな抗議運動を展開し、多数の従業員がTwitterで反対を表明している。
米Facebookが、米Twitterは問題があるとして非表示にしたドナルド・トランプ米大統領の投稿をFacebookとInstagramでは放置していることについて、多数の同社従業員が“バーチャル抗議デモ”を行っていると米New York Times(リンク先は要購読)が6月1日(現地時間)、独自に入手したFacebookの全社ミーティングの録画や従業員のインタビューなどに基づいて報じた。
現在、新型コロナウイルス感染症対策で在宅勤務中の多くの従業員が、投稿に対処するよう請願する文書に署名し、メールへの自動返信でFaceookの決定に抗議するというメッセージを送っているという。
Twitter上でも多数の従業員が公に抗議している。例えばPortalの責任者、アンドリュー・クロウ氏は「暴力を扇動したり、偽情報を拡散するためのプラットフォームを提供するのは、誰の投稿であれ、その投稿に報道価値があるかどうかに関わらず、受け入れられない。私はマーク(ザッカーバーグ氏)の立ち位置に反対だ。変革するために行動する」とツイートした。
FacebookのオープンソースのJavaScriptライブラリ「React」を担当するソフトウェアエンジニアのダン・アブラモフ氏は「React Coreチームは黒人コミュニティと連帯するFacebook従業員の抗議デモに参加する。暴力を扇動する投稿に対応しないというFacebookの最近の決定は、コミュニティを安全に保つための選択肢を無視している。われわれはFacebook幹部に行動を起こすよう請願する」とツイートした。
New York Timesが入手した全社大会の録画では、何百人もの従業員が反対意見を表明していたという。同社はこうした反対運動を受け、毎週木曜日に開催している全社会議の次の回を火曜日(6月2日)に前倒しして開催する計画だ。
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