FacebookのザッカーバーグCEO、「ネット規制強化は政府が主導すべき」
Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOがWashington Postに寄稿し、安全なプラットフォームを持続するためには、政府による規制の基準とガイドラインが必要だと主張した。
米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは3月30日(現地時間)、米Washington Postへの寄稿で、「インターネットの規制強化には、各国政府と規制当局がより積極的な役割を担うことが必要だ」と語った。
「Facebookを含むIT大手は、人々の生活にとって重要なテクノロジーについて、大きな責任を負っている。われわれは日夜、ネットでの安全を保つため、多様な決断を下している。そうした決断は、コミュニティの安全のために重要だ。だが、よって立つルールがなければ、決断は難しい」(ザッカーバーグ氏)
同氏は、有害コンテンツを定義するための基準と、それをオンラインプラットフォームから削除するためのガイドラインを規制当局が設定すれば、Facebookのようなプラットフォーマーが安全のために行動しやすくなると語った。
同氏は寄稿記事で、以下の4つの分野で規制が必要だと主張する。
- 人を傷つける投稿
- 公正な選挙を妨げる投稿
- 個人情報の保護
- データポータビリティ
Facebookはここ数年、個人情報の流出や不正利用、フェイクニュースの拡散などで批判されてきた。最近では、ニュージーランドのクライストチャーチでの銃撃事件の犯人が犯行をFacebookのライブ動画で実況したことでも批判された。
ザッカーバーグ氏は2016年にフェイクニュースで批判された際に、「われわれは何が最も意味深いかを示す方法を見つける自信はあるが、自ら真実の審判になることについては非常に注意深くなる必要がある」と語り、問題コンテンツ対策はしても何が問題コンテンツかの判断は第三者に委ねる姿勢を示した。
同日、Facebookのシェリル・サンドバーグCOO(最高執行責任者)はInstagramの公式ブログで、クライストチャーチの実況問題を受け、ライブ動画の利用規制を検討していると発表した。
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