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神奈川県HDD転売事件、元社員に有罪判決 情報機器をネットオークションで転売
神奈川県庁が使っていたHDDが転売され、個人情報などが流出した問題を巡り、東京地方裁判所が高橋雄一被告に懲役2年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。
神奈川県庁が使っていたファイルサーバのHDDが転売され、個人情報を含むデータが流出した問題を巡り、東京地方裁判所は6月9日、HDD流出元の情報機器リユース業者ブロードリンク(東京都中央区)に務めていた高橋雄一被告に対し懲役2年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。
神奈川県庁は2019年12月、同庁が行政文書などを保存していたHDDを処分する過程で個人情報が流出したとして謝罪。当時、古いHDDの処分を担当したブロードリンクに務めていた高橋被告は、同庁のHDDを不正に持ち出し、ネットオークションで転売していた。
高橋被告は神奈川県庁のHDDの他にも、同社で破棄を請け負っていたUSBフラッシュメモリやスマートフォン、タブレット端末などの転売を16年から繰り返していたとみられる。
事件発覚後、ブロードリンクは全従業員の1割に当たる約30人を解雇し、東京と大阪を除く5カ所の事業所を閉鎖するなど事業規模を縮小。セキュリティ体制などの見直しを行い、20年3月以降は顧客企業の敷地内でデータ消去作業を行う「オンサイト消去」や、データ消去の過程を顧客企業にリアルタイム配信する「データ消去ライブ配信」などのサービスを展開している。
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