大林組、NECの顔認証技術を導入 建設現場の勤怠管理を自動化 業界の人手不足に対応
総合建設会社の大林組が、NECの顔認証技術を導入。本人確認を行う他、入場・退場時の時刻とGPSを取得する。建設現場における勤怠管理を自動化し、業界の人手不足に対応する狙い。
NECは6月15日、総合建設会社の大林組に、顔認証技術を活用した入館管理サービス「建設現場顔認証forグリーンサイト」を提供したと発表した。顔認証技術とスマートデバイスを組み合わせ、作業員が建設現場に入退場した際に自動で本人確認を行う他、時刻と位置情報を取得し、誰が、いつ、どこで入退場したかを把握する仕組み。作業員の就業履歴の登録作業を効率化し、建設業界の人手不足に対応する狙い。
大林組は、建設現場顔認証forグリーンサイトを4月から段階的に導入しており、将来は全ての建設現場に展開する計画だ。
同サービスは、国土交通省と建設業界が共同で整備・運用している、作業員の保有資格、社会保険の加入状況、現場の就業履歴などを管理するWebシステム「建設キャリアアップシステム」とも連携。顔認証などで取得した入館情報をシステム上に自動登録する。
2023年以降、建設キャリアアップシステムの就業履歴データが作業員の退職金計算に活用される見通しであり、正確な就業履歴の登録が求められていることを踏まえて連携した。
連携に当たっては、ベンチャー企業のMCデータプラスが提供する、労務や安全管理に関する書類をクラウド上で生成するサービス「グリーンサイト」の仕組みを利用する。
入館管理に顔認証を導入し、建設キャリアアップシステムと連携することで、勤怠管理の負荷を軽減する他、勤務時のなりすまし防止や、正確な勤怠情報の取得などが可能になるとしている。
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