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「極めて多数の利用者の利益損なった」──「どんなときもWiFi」運営元に行政指導 “無制限”うたうも通信ままならず
総務省は、通信サービス「どんなときもWiFi」提供元に行政指導を行ったと発表した。基本的に通信速度制限を行わない「無制限」をうたっていながら、実際には利用者の通信速度を制限していたとう。
総務省は6月19日、通信サービス「どんなときもWiFi」を提供するグッド・ラック(福井県福井市)に対し行政指導を行ったと発表した。基本的に通信速度制限を行わない「無制限」をうたっていながら、実際には相当数の利用者の通信速度を著しく制限していたという。
グッド・ラックは、どんなときもWiFiで通信制限を行うのは「極めて例外的な場合のみ」としていたが、実際には一定以上のデータ通信を過去に行ったことがあるユーザーに対して月間25GBの上限を設定。3月下旬には、多くのユーザーの通信速度を制限していたことが分かった。
総務省によると、同社は通信制限を掛ける具体的な基準を消費者に告知しておらず、ユーザーからの問い合わせにも回答しなかったという。
総務省はこれらの行為が電気通信事業法の「利用者利益の保護」「事実不告知の禁止」などの規定に反するとして行政指導。「極めて多数の利用者の利益を損なった」と指摘した。
再発防止に向け、法の順守や問題の原因解明の他、「実際の品質より著しく高い品質をうたわないこと」「消費者がサービスの利用を続けるか判断するのに必要な情報を提供すること」などを求めた。
グッド・ラックは、「サービスの安定供給のため」として、4月から契約の新規受付やチャット相談サービスを停止している。
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