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スーパーコンピュータTop500、「富岳」が日本製として久々の首位奪還
スーパーコンピュータの性能世界ランキイング「TOP500」で、日本の理化学研究所の「富岳」が4部門で首位に立った。Armベースのスパコンが首位に立つのは初だ。
スーパーコンピュータの性能世界ランキング「TOP500」最新版が6月22日(中央ヨーロッパ時間)に発表され、日本の理化学研究所と富士通が開発した「富岳」(ふがく)がTOP500(演算速度)、HPCG(シミュレーション計算)、HPL-AI(AIの学習速度)、Graph500(ビッグデータの処理性能)の4部門で首位を獲得した。TOP500、HPCG、Graph500での同時首位は世界初。
先代の「京」が中国のスーパーコンピュータの台頭でランクダウンして以来、日本のスーパーコンピュータが首位に立つのは9年ぶりになる。
演算速度は415.5PFLOPSと、前回のランキングで1位で、今回2位だった米IBMの「Summit」(148.8PFLOPS)の約3倍だった。3位は中国の「神威太湖之光」(93PFLOPS)。
富岳は「富士山」の別名。富士山のように高く(性能が高く)、裾野が広く(対象分野が広く)、海外での知名度も高くなってほしい――などの理由から名付けられた。プロセッサはArmベースで富士通が開発した「A64FX」。Armベースのプロセッサが首位を獲得するのは今回が初だ。
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