Microsoft、ゲーム実況「Mixer」を7月22日に終了 コミュニティを「Facebook Gaming」に移行し技術は「Teams」で生かす
Microsoftが2017年に立ち上げたゲーム実況サービス「Mixer」を7月に終了する。ユーザーは競合する米Facebookの「Facebook Gaming」に移行するよう促されている。Mixerで培った技術は「Microsoft Teams」に生かしていく。
米Microsoftは6月22日(現地時間)、ゲーム実況サービス「Mixer」を7月22日に終了し、コミュニティ全体を競合する米Facebookの「Facebook Gaming」に移行すると発表した。同日からMixerのパートナーとストリーマーは移行を促される。
MixerはMicrosoftが2017年5月に立ち上げた、米Amazon傘下のTwitchやFacebook Gaming、米Google傘下のYouTubeなどと競合するゲーム実況サービス。これらのサービスは互いのスターストリーマーを奪い合っていた。
Xboxの責任者、Gaming エグゼクティブ バイスプレジデントのフィル・スペンサー氏は「Xboxチームにとって、ゲーム体験の中心は常にプレイヤーの皆さんだ。ゲームに関連する素晴らしい体験を皆さんにどこででも提供するのがわれわれの責任だ」と語り、ゲーム制作、Xbox Game Pass、「Xbox Series X」、「Project xCloud」に重点を置くとした。
今後、7月22日までの間はすべてのMixerのサイトとアプリが自動的にFacebook Gamingにリダイレクトされる。パートナーにはFacebook Gamingのステータスが付与され、収益化プログラムも移行される。ユーザーの未使用の残高はXboxギフトカードとして戻される。
xCloudもFacebook Gamingに統合され、例えばFacebook Gamingで実況を見ているゲームを1クリックでプレイできるようになる。
Mixerで培った技術は、Web会議サービス「Microsoft Teams」に生かしていくという。スペンサー氏は「(Mixerの)超低遅延の動画ストリーミング、リアルタイムの双方向性、動画配信技術を使って、Teamsの会議やライブイベント、ブロードキャストなどの体験強化を加速する」と語った。
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