アプリ開発を手掛けるベンチャー・ミギナナメウエは7月2日、長時間労働など労働関係の法令違反の可能性がある“ブラック企業”に勤める人を対象にしたスマートフォンアプリ「社畜のシャチくん」(iOS/Android)β版を無料で公開した。弁護士などが利用者からの職場の悩みにアドバイスをするコミュニケーション機能や、出退勤時間の記録機能を持つ。
利用には氏名や所属企業名などの登録が必要。利用者が職場の悩みや疑問を投稿すると、弁護士、社労士、キャリアコンサルタントなどが対応策のアドバイスを行う。他人の投稿も閲覧できるため、自分と似た悩みやそれに対するアドバイスも閲覧できる。
出勤・退勤をした時間にアプリ上のボタンを押すと、その時間を記録する機能も持つ。出退勤時間の記録は激務の証拠になりうるため、「労災認定などの証拠にも使用できる」(同社)としている。8月にはスマートフォンの位置情報から、出退勤時間を管理する機能を搭載するという。
アプリの監修には、ブラック企業アナリストで厚生労働省ハラスメント対策企画委員の新田龍氏などが参加。
同社は長時間労働やパワハラ・セクハラなどの問題の他、「残業代がもらえない」「会社を辞めたいけれど辞められない」といった悩みを持つ人をサポートしたいとしている。
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