Linux Foundation、AppleとGoogleの新型コロナAPI採用アプリ拡大支援イニシアチブ「LFPH」立ち上げ
Linux Foundationが、世界の公衆衛生当局の新型コロナ対策を支援するイニシアチブ「LFPH」を立ち上げた。AppleとGoogleが共同開発した曝露通知APIを採用するアプリ公開などを支援していく。
Linux推進団体のLinux Foundationは7月20日(米太平洋時間)、世界の公衆衛生当局の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との闘いを支援するオープンソースソフトウェアの構築を目的とする新イニシアチブ「Linux Foundation Public Health(LFPH)」を立ち上げたと発表した。
イニシアチブは、7つのプレミアムテクノロジーメンバー(米Cisco、米IBM、米VMware、中国Tencent、アイルランドNearForm、米doc.ai、米Geometer)と立ち上げ、メンバーを募っている。
まずは米Appleと米Googleが4月に発表した曝露通知API「Google Apple Exposure Notification(GAEN)」を採用する2つのオープンソースソフトウェア、カナダの接触通知アプリ「COVID Shield」とアイルランドの「COVID Green」を、世界の公衆衛生当局とそのITパートナーがカスタマイズして利用することを支援する。また、オープンソースソフトウェアを使った新型コロナ対策の数十件のプロジェクトをホストしていく計画だ。
現在GAENを採用したアプリを公開している国は、オーストリア(アプリ名は「Stopp Corona」)、デンマーク(Smittestop)、ドイツ(Corona-Warn-App)、ジブラルタル(Beat COVID)、アイルランド(COVID Tracker)、イタリア(Immuni)、日本(COCOA)、ラトビア(Apturi Covid)、サウジアラビア(Tabaud)、スイス(SwissCovid)の10カ国。
Linux Foundationのエグゼクティブディレクター、ジム・ゼムリン氏は発表文で「この重大な世界的危機に当たり、Linux Foundationコミュニティ全体でLFPHをサポートすると約束する。オープンソースはグローバルコラボレーションのためのアーキテクチャを提供する。それらは公衆衛生インフラの重要なコンポーネントを構築し、保護し、維持するために必要なものだ」と語った。
LFPHはまた、世界中の新型コロナ関連アプリの現在の状況を追跡できるランドスケープも公開した。
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